それぞれの動作
接点とは、直接回路を開閉動作する部分です。
a接点・b接点・c接点と3種類ありますので、それぞれの接点がどのような動作をするか解説します。
a接点
a接点は特定の動作により回路が閉じ電気が流れるようになります。
メーク接点やノーマルオープン、NOなどとも表現されます。
b接点
b接点は特定の動作により回路が開き電気が流れなくなります。
ブレーク接点やノーマルクローズ、NCなどとも表現されます。
c接点
c接点はa接点とb接点をそれぞれ持ち、特定の動作により2つの回路を切り替えられます。
トランスファ接点とも表現されます。
接点動作のきっかけ
各種接点は特定の動作により回路が開閉します。
実際の電気部品を例に、どのような動作があるか紹介します。
スイッチ
スイッチは、大きく押しボタンスイッチとセレクタスイッチに分類されます。
それぞれ以下のような操作をしたときに接点が動作します。
- 押しボタンスイッチ:ボタンを押したとき
- セレクタスイッチ:つまみを回したとき
ただしスイッチにもa接点やb接点がありますので、「ボタンを押した=電気が流れる」という意味ではありません。
また1つのスイッチに複数の接点を持つものもあり、購入時には"1a1b"や"2a"のような表記を確認してから目的のものを購入してください。
センサー
センサーは各種動作原理に基づき、目的の状態を検知したときに接点が動作します。
いくつか例を挙げます。
- リミットスイッチ:レバーなどの部品が機械的に動作したとき
- 音叉式レベルスイッチ:タンク上部や底部にて接液したとき
- 圧力スイッチ:設定した圧力に達したとき
結局はセンサーと言えどスイッチですので、押しボタンスイッチやセレクタスイッチと考え方は同じです。
リレー
リレーは、ある回路の導通を検知して他の回路を制御する機器です。
主には電磁石の磁力によりON/OFFします。
そのためリレーは電磁石のコイルに電流が流れた時、接点が動作します。
また半導体を用いる無接点リレー(SSR)もありますが、こちらも同様に、半導体へ電流が流れた時に接点が動作します。
電磁開閉器(マグネット)
電磁開閉器は主にモーターのON/OFF制御や過電流による回路の保護をします。
電磁開閉器とサーマルリレーで構成されています。
電磁開閉器には主回路用接点と補助接点の2種類あり、どちらもコイルに電流が流れた時、接点が動作します。
また回路保護の役割を持つサーマルリレーは、設定した過電流に基づく熱を検知したときに接点が動作します。
事例に応じた使い分け
3種類の接点を解説しましたが、それらをどのように使い分けるか代表例を紹介します。
機器の動作を開始したい(a接点)
攪拌機やポンプなどの機器の動作を開始したい場合、a接点をもつスイッチを使い回路を構成します。
始動時にスイッチを押すことで回路が繋がり機器へ電気が流れます。
機器を緊急停止したい(b接点)
機器を稼働中に危険性を感じて緊急停止したい場合、b接点をもつスイッチを使い回路を構成します。
普段は回路が閉じており電気が流れていますが、緊急停止ボタンを押すことで回路が開き機器へ電気が流れなくなります。
また緊急停止ボタンはa接点ではなくb接点にしなければなりません。
もし緊急停止ボタンが故障していた場合、回路が開くようになるためフェイルセーフの役割になります。
回路を切り替えたい(c接点)
回路を切り替えたい場合、c接点をもつスイッチを使い回路を構成します。
例えばセレクタスイッチは、よく1a1b型(つまりc接点)で手元操作/遠方操作や自動/手動の切り替えに使われます。
c接点は2つの回路の切り替えですので、1つの回路を使用中はもうひとつの回路を使用できなくなります。
何らかの理由で2つの回路を同時にonしてはいけない場合にc接点は有効です。
オススメ書籍
・現場エンジニアが読む 電気の本
電気の基本理論から始まり、測定機器や電子部品、制御機器など基本的な要素が解説されています。
-
現場エンジニアが読む 電気の本(第2版)
www.amazon.co.jp
・現場エンジニアのための電気の実務がわかる本
動力回路や制御回路の設計、トラブルシューティング、保全など電気に関する現場向けの解説がされています。
-
現場エンジニアのための電気の実務がわかる本―もう現場でつまずかないズバリ答える50の疑問!
www.amazon.co.jp
・基本からわかるシーケンス制御
スイッチやボタンを用いた回路の組み方が初心者向けに分かりやすく解説されています。
全てカラーのため読みやすく、電気回路に慣れていない方にオススメです。
-
カラー徹底図解 基本からわかるシーケンス制御
www.amazon.co.jp