コモン(COM)の意味とコモン線・COM端子、プラス/マイナスの見分け方

電気計装/シーケンス制御シーケンス制御の4本目(全5本)公開更新広告

制御盤の端子台やリレー、PLCの入出力ユニット、テスターまで、電気の現場では「COM」と書かれた端子や「コモン線」という言葉が出てきます。コモンの意味、プラス/マイナスの見分け方、配線方法を解説します。

同じ縮尺で上下に並べた回路図。現場のランプ3つと監視室のスイッチ3つを、コモン線なしでは長距離配線6本、コモン線ありでは4本でつなぐ。境を通る線に番号を付けてある。
長距離配線の本数(境の白丸が1本ずつ。緑が戻りの線)
この記事の内容
  1. 場面別のコモン(COM)の意味
  2. プラスコモンとマイナスコモンの見分け方
  3. コモン線の配線方法
  4. コモン線が断線すると影響が広がる
  5. 独立コモンと1コモン
  6. 参考資料
  7. 関連記事

場面別のコモン(COM)の意味

どの場面でも「複数の回路で共有する側」を指す点は同じで、何を共有しているかが機器によって違います。ただしテスターのCOMは測定の基準にする端子で、回路を共有する配線ではありません。

場面 COM(コモン)が指すもの 補足
配線・端子台 複数の回路で共有する1本の配線(コモン線)と、それを繋ぐ端子 24V側を共有すればプラスコモン、0V側ならマイナスコモン
リレー(c接点) a接点(NO)とb接点(NC)に共通の相手側端子 無励磁でCOM–NC間が導通、励磁でCOM–NO間が導通
PLC入力ユニット 各入力点で共有する電源側の端子 COMを24Vに繋げばプラスコモン、0Vに繋げばマイナスコモン。極性が固定のユニットと、共用またはS/S端子で切り替えるユニットがある
PLC出力ユニット 各出力点で共有する負荷電源側の端子 「16点1コモン」のように何点で共有するかが仕様に書かれる。「独立コモン」は共有しない
テスター 黒のテストリード(マイナス側)を挿す共通端子 赤のリードは測定項目で挿す端子が変わり、黒はCOMに固定

プラスコモンとマイナスコモンの見分け方

プラスコモンかマイナスコモンかは、その機器のCOM端子(共通線)を電源のプラス側(24V)に繋ぐか、マイナス側(0V)に繋ぐかで決まります。注意したいのは、同じ回路でも機器ごとに見ると極性が逆になる点です。PLCの入力ユニットがプラスコモン(COMが24V)なら、そこに繋ぐセンサーは0V側が共通のマイナスコモン(NPN出力)になります。日本ではこの組み合わせが一般的で、欧州ではPLC入力がマイナスコモン、センサーがプラスコモン(PNP出力)が主流です。

ランプ3つの回路を2つ並べた図。上は共通線を24V側につなぐプラスコモンで、個別の線は0V側。下は共通線を0V側につなぐマイナスコモンで、個別の線は24V側。
共通線(緑)をどちらの電位につなぐかで呼び名が決まる

トランジスタを使った入出力ユニットやセンサーは極性が固定で、組み合わせを間違えると信号が入りません。「シンク入力」「ソース入力」という呼び方は資料によって指す側が逆になることがあるので、仕様書の「COM端子をどちらに繋ぐか」で確認するのが確実です。電流の向きとNPN・PNPの関係はNPNとPNP、ソースとシンクの配線で解説しています。

コモン線の配線方法

端子台でコモン線を作る方法は、渡り線、ショートバー、コモン端子台の3つです。

渡り線

端子台に1本の配線を繋いだあと、隣の端子へ短い電線で順に渡していく方法です。部品が要らず、コモンにする端子の範囲を自由に決められます。

6つの端子を正面から見た端子台。1つ目の端子に来た配線から、隣の端子へ短い渡り線5本で順にコモンをつないでいる。
渡り線:端子ごとに短い電線を1本ずつ足す

ショートバー(短絡バー)

渡り線を金具に置き換えたもので、隣り合う端子を端子台のねじで一括して繋げます。部品としての定格電流が決まっているため、渡した端子に流れる電流の合計がそれを超えないように選びます。

6つの端子を正面から見た端子台。金属のショートバーが6つの端子のねじの下を通り、1つ目の端子に来た配線を全端子につないでいる。
ショートバー:渡り線と同じ6端子を金具1個でつなぐ

春日電機 ショートバー 10個入 TJ163B(別サイト)

コモン端子台

端子台の内部で回路が繋がっていて、渡り線もショートバーも不要です。反面、繋がる端子の組み合わせは製品で決まっており、改造時の制約になります。

6つの端子を正面から見た端子台。端子台の内部で6つの端子が導体でつながっていて、1つ目の端子に配線を1本つなぐだけでよい。
コモン端子台:内部(緑の破線)でつながるので渡りが要らない

機器側のコモン端子(リレー・PLC)

リレーやPLCの入出力ユニットは内部にコモン回路を持ち、COM端子として外に出ています。c接点のリレーなら、COM・NO(a接点)・NC(b接点)の3端子のうちCOMに1本繋いでおけば、a接点とb接点のどちらにも使えます。

リレーのc接点を上下に並べた図。コイルに電流がないときはCOMがNC側の端子につながり、コイルに電流が流れるとCOMがNO側の端子に切り替わる。
c接点:COM(共通)の相手がコイルの電流で切り替わる

コモン線が断線すると影響が広がる

コモン線は複数の回路で共有しているため、1本の断線がその回路すべての断線に相当します。16点を1本のコモンにまとめていれば、16点が同時に止まるということです。重要な計器はコモンにまとめない、COM1とCOM2の2系統に分けて割り付ける、といった対策を重要度に応じて検討します。

上は戻りの線を1本にまとめた回路でコモン線が切れ、スイッチが閉じていても3つのランプが消える。下は戻りの線が別々の回路で1本切れ、そのランプだけが消える。
断線の影響:コモン線では3つとも、別々の線ならその1つだけ

独立コモンと1コモン

リレー出力のユニットやリレーターミナルの仕様には「16点1コモン」「独立コモン」といった表記があります。1コモンは全点が1本のコモンを共有する構成、独立コモンは各点にコモン端子があり内部で繋がっていない構成です。COM端子が複数あるユニットには、内部で繋がっていてどれに繋いでも同じものと、点数ごとにコモンが分かれているものがあるので、仕様書で確認します。DC24VとAC100Vのように電源の違う負荷が混在するときは、独立コモンを選べば1台で対応できます。

出力ユニットの内部を4点分描いた図。上の1コモンは4つの接点の一端がつながって1つのCOM端子に出る。下の独立コモンは各接点がそれぞれ別のCOM端子を持ち、内部でつながっていない。
出力ユニットの内部:コモンを共有するか、点ごとに分けるか

参考資料

  1. シンク入力/ソース入力とは?(別サイト)fa-faq.mitsubishielectric.co.jp

    S/S端子の使い方(別サイト)fa-faq.mitsubishielectric.co.jp

    入力のCOM端子が複数あるがどれを使っても良いか(別サイト)fa-faq.mitsubishielectric.co.jp

  2. 三菱電機「MELSEC-Qシリーズ 入出力ユニット」(プラスコモン/マイナスコモンの区分)(別サイト)www.mitsubishielectric.co.jp

  3. 三菱電機エンジニアリング「FA-TH16YRA20S(16点独立コモン)」(別サイト)www.mee.co.jp

  4. パナソニック 用語解説「リレーのNO、NC、COMとは」(別サイト)ac-faq.industrial.panasonic.com

  5. HIOKI「電圧の測定方法」(別サイト)www.hioki.com

  6. ショートバー BXシリーズ(別サイト)www.togi.co.jp

    コモン端子台 VTXCシリーズ(別サイト)www.togi.co.jp

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