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電気信号と空気圧信号の違い

2022年4月23日

プロセス制御においてセンサーやスイッチなど様々な機器の信号には電気や空気圧が多く使用されます。

電気信号と空気圧信号の簡易比較表を以下に示します。

項目電気信号空気圧信号
防爆×
長距離伝送×
DCS、PLC接続性×
信号種類の統一×
ノイズ耐性×
構造の単純さ×
可動部の少なさ×
電気信号と空気圧信号の簡易比較表



電気信号

電気信号は電流や電圧で値を伝えるアナログ信号です。

一般的には4~20mA DCの電流範囲を0~100%として出力しています。

その他にも0~10V DC、1~5V DCなど種類はいくつか存在します。

長距離伝送に向いている

電気信号は伝送速度が速く遅れが殆ど生じません。

空気圧信号との使い分けで考慮される特徴的な点です。

信号変換が少ない

制御機器や記録計とやり取りする場合、電気信号は空気圧信号のように変換する必要がありません。

ただし後述するように、対応していない電気信号の場合は一度変換が必要となります。

可動部が少ない

電子機器であるため空気圧信号に比べて可動部は少なくなります。

そのため長期間の使用もしやすく、性能変化はしにくい特徴があります。

信号の種類が多い

一般的には4~20mA DCの電流信号が多いのですが、電圧信号やパルス信号など種類が様々です。

使用する機器によって信号の種類が違ったり、制御機器や記録計が対応していない信号だったりと注意する必要があります。

電気的に弱い

電子機器を使用しているためノイズの影響が故障や障害に繋がります。

防爆対応が必要

危険物使用エリアでは防爆対応した機器が必要になります。

電気機器では防爆構造にするために強固な構造や複雑な回路を設けたりするため金額が跳ね上がります。

場合によっては信号が着火源にならないようにした本質安全防爆構造にしなければなりません。

本質安全防爆についてはこちらから

空気圧信号

空気圧信号は圧縮空気の圧力で値を伝えるアナログ信号です。

一般的には20~100kPaの圧力範囲を0~100%として出力しています。

防爆

空気圧信号の一番の特徴は電気信号と違って着火源とならない本質的な防爆であることです。

空気圧信号にすることで容易に防爆対応することができます。

そのためプラントの信号源として未だに活用されています。

電気的に強い

電子機器を使用している場合、ノイズの影響が故障や障害に繋がります。

空気圧信号にすることで、そのような電気的要因に強くすることができます。

構造が単純

空気圧信号にすることで機器構造を比較的に単純化できる特徴もあります。

更に伝送機構は似ていることが多く、部品の共通化も図りやすくなっています。

長距離伝送に向かない

空気には圧縮性があります。

そのため信号を伝送したとしても伝達するまでの時間に遅れを生じます。

伝送距離は長くても100m程度に抑える必要があります。

空気の質が求められる

機器の故障の原因として空気の質が挙げられます。

空気圧信号には計装空気という乾燥した綺麗な空気が求められます。

計装用空気の詳細についてはこちら

信号変換の手間

制御機器や記録計など多くの機器は電気信号で送受信します。

空気圧信号は空電変換器で電気信号に変換しなければなりません。

反対に制御機器からの電気信号を空気圧信号に変換するために電空変換器を使用する必要もあります。

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