機械

【新人向け】機械要素の基本的な分類

機械は共通となるいくつもの要素が組み合わさって構成されており、それらは機械要素と呼ばれます。

多くは規格化されており耐荷重や寸法、形状などが明らかで設計しやすくなっています。

プラント向けに知っておきたい機械要素

  • 締結要素
    • ねじ:配管フランジで必須
    • ピン
  • 軸系要素
    • 軸継手(カップリング):ポンプで必須
    • 軸受(ベアリング):ポンプや撹拌機で必須
    • キー
  • 動力伝達要素
    • 歯車
    • ベルト、チェーン
  • 動力制御要素
    • ばね
  • 密封要素
    • ガスケット:配管フランジで必須
    • パッキン

詳しい解説は目次から項目をクリックしてご確認ください。

締結要素

締結要素は部品同士を結合するための機械要素です。

ねじが有名です。

ねじ

ねじ(左)とフランジ締結イメージ

軸の外側にらせん状の溝がある「おねじ」を穴の内側にらせん状の溝がある「めねじ」に回し入れることで材料同士を締め付け固定します。

比較的簡便な工具を用いて高い締結力が得られ、なおかつ取り外しも容易であることが特徴です。

一般的にはボルトとナットを組み合わせて挟み込むようにして使用します。

また材料にねじ穴を設けることでナットの代わりとすることもあります。

ねじは締結だけでなく、ボールねじやウォームギヤの様に動力を伝達・変換する要素にも使用されます。

ピン

部品同士の固定や位置決めに用いられる棒状の機械要素です。

穴の開いた材料に差し込んで使用します。

また軸にはめ込んだ部品の回り止め、緩み留めなどにも使用されます。

チェーンやリンクの構成要素にもなっています。

リベット

板状の部品同士を永久固定するのに用いられます。

ねじ穴の無いボルトのような部品を穴に差し込み、頭が付いていない方を潰す(塑性変形)ことで両側から完全に固定してしまいます。

このような固定作業をかしめと呼びます。

引用している画像では、右上の軸部分を穴に通し、左下の波あり軸を引っ張ることで穴に通した軸が潰れる仕組みになっています。

リベットの締結動画もありますので動作の参考にしてみてください。

壊さない限り締結を外すことができないため使用には注意が必要です。

軸系要素

一般的に回転により動力を伝える機械要素を軸と呼びます。

動力源として有名なのがモーターですが、そのモーター動力は軸を介して伝わります。

軸に関する機械要素も数多くありますので1項目に分けて確認します。

また軸自体も機械要素の一つです。

曲げやねじり、衝撃などへの耐久性が求められます。

軸継手(カップリング)

ポンプへのカップリング取り付け(黄色部分)

軸同士を結合して回転動力を伝達するために使用されます。

目的は大きく2種類あり、直結して軸を延長する場合軸中心のずれを吸収したい場合とがあります。

身近な例としてポンプのモーターとハウジングを繋ぐときによく見かけます。

軸受(ベアリング)

ボールベアリング(左)とローラーベアリング(右)

回転軸を支える際に可能な限り回転力を損なうことなく支持するための機械要素です。

軸に軸受を通し、その軸受を支える形で使用します。

軸に固定して供回りする内輪回転せずに別の部品と接触支持する外輪で構成されています。

内輪と外輪の間には保持器と呼ばれるボールやローラーが入っており、摩擦損失を極力抑えた状態で内輪と外輪の機能を独立させることができます

ちなみに回転運動ではなく直線運動を支持する場合は「案内」と呼ばれ、リニアガイドやリニアブッシュが代表的です。

キー

キー

キーは棒状の金属ブロックで歯車やプーリー、スプロケットなどを軸に固定する役割があります。

軸にはキーをはめ込むためのキー溝を設け、対して歯車などの部品にはキーと軸両方が通るような軸貫通穴を開けておきます。

軸にキーをはめ込んだ後に歯車などを通すことで、軸が回転するとキーを介して歯車などが供回りするようになります。

キーよりも強い動力伝達を行いたい場合はスプラインを用います。

スプラインはキーが軸の全周に設けられたような歯車に近い形をしており、確実な動力伝達が可能となります。

止め輪(スナップリング)

スナップリング(左)と取り付けイメージ(右)

軸に通した軸受や歯車などが動かないように簡易的に固定できます。

使用する際には止め輪をはめ込むための軸に溝を設ける必要があります。

ただし止め輪では完全に固定することが難しく、軸方向の荷重が少ない場合のみに適用されます。

クラッチ

軸の連結や切り離しが頻繁に行われる場合に使用されます。

動力が確実に伝達できますが衝撃を伴うため停止時に連結動作させなければならない特徴があります。

動力伝達要素

ある部品からある部品へ動力を伝えていく機械要素です。

そのまま動力を伝えるものや変化を与えて伝えるものなど様々あります。

歯車

平歯車(左)と傘歯車(右)

動力側の歯車を別の歯車に噛み合わせて回転させることで動力伝達します。

比較的大きな動力を伝えることができる特徴があります。

相互の歯数が異なる歯車を組み合わせることで伝達先の回転速度を増減させることができます

また、傘歯車やウォームギヤなどを用いることで回転角度を変えながら動力伝達ができます

ラックピニオンという回転運動を直線運動に変換できる歯車もあります。

ベルト、チェーン

チェーン(左)とベルト(右)

ベルトやチェーンは巻き掛け伝導装置という分類になります。

動力を伝えたい部品同士が離れている場合これらを用いて間接的に動力伝達します。

その他にも衝撃や振動を和らげながら伝達したい場合にも用いられます

ベルトの場合はプーリー、チェーンの場合はスプロケットと呼ばれる回転軸の動力を伝える部品と共に使用します。

プーリーやスプロケットにはベルトやチェーンの張り(テンション)を調整する役割もあります。

ベルトやチェーンに物を載せて運ぶコンベアとしての役割もあります。

カム

回転体に取り付ける部品形状を工夫することで伝達先の運動に周期性を与えます。

等速、等加速、偏心、往復など様々な種類の複雑運動の組み合わせが行えることが特徴です。

リンク

2つの棒状部品をピンで接続することで動力伝達を行うことで変則的な動力伝達を行います。

人間の腕と関節に似た構造をしています。

複数のリンクを組み合わせることで複雑な動きを得ることができます。

動力制御要素

与えられた動力を蓄積したり緩衝したりする機械要素です。

ばね

ばね

外部からの力が加わることで衝撃を吸収したり力を蓄えたりすることができます。

ブレーキ

物体に与えられた運動エネルギーを摩擦エネルギーのような別のエネルギーに変換することで減速や停止を行います。

最も広く知られる摩擦ブレーキの他にも油圧、空気圧、電磁など様々なブレーキ機構が存在します。

フライホイール(はずみ車)

フライホイール

回転体の慣性エネルギーを蓄えることができます。

またエンジンの始動時など速度変化があるときに平滑化する役割があります。

間欠的に大きく1回のエネルギー供給を行う場合に使用されます。

ラチェット

爪の付いた歯車(ラチェット)と爪で構成されており、片方向のみ回転できる構造になっています。

片方向は爪がラチェットを舐める形でロックがかかりません。

対してもう片方向は爪がラチェットにかかるようになってロックされます。

この原理を利用したラチェットレンチという名前の工具も存在します。

密封要素

液体や気体など流体の漏れを防止したり内側に異物が入り込むのを防いだりする機械要素です。

シールとも呼びます。

ガスケット

ガスケット

ガスケットはフランジのような静止箇所のシールに使用されます。

フランジにも取り付けられています。

パッキン

パッキンは撹拌器やシリンダーのような運動箇所のシールに使用されます。

軸受の潤滑油漏れ防止にはオイルシールが用いられます。

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