【ボールバルブの構造】フルボアとレデューストボア



工場内の配管には必ずと言っても良い程ボールバルブが使用されています。

全開した時の圧力損失がほぼ無いため重宝します。

ただし圧力損失が少し大きなボールバルブがあるため注意が必要です。

フルボアとレデューストボアのボア径イメージ
比較項目フルボアレジューストボア
ボア径減少なし(ほぼ呼び径)あり
圧力損失(流量減少)小さい大きい
バルブサイズ大きい小さい
重量重い軽い
価格高価安価
フルボアとレジューストボアの比較



ボールバルブとは

ボールバルブは弁体が球状(ボール状)になっているバルブです。

球体の中心には貫通穴が空いており、バルブハンドル操作により貫通穴が流路に現れたり消えたりすることで開閉しています。

用途としては主に流路のオンオフしたい場面で使用されます。

また全開時の流路に弁体(ボール)が残らないため圧力損失を限りなく抑えられます。

ボールバルブ

内部構造の違い

配管やバルブを選定する際、サイズは呼び径を合わせることで接続が可能になります。

呼び径とは例えば「20A」や「3/4」、「1 1/2」などです。

しかしバルブの呼び径とボールの口径(ボア径)は一致しない場合があります。

それがレジューストボアです。

以下にフルボアとレジューストボアの違いを示した断面図を載せています。

フルボアとレデューストボアのボア径イメージ

フルボアは呼び径とボア径がほぼ同じ、レジューストボアはボア径の方が小さくなります。

ボア径が1サイズ小さいレジューストボアはスタンダードボアと呼ばれます。

特徴ごとの違い

内部の構造変化によりその他の影響がどうなるかを解説します。

圧力損失(流量減少量)

ボア径が小さいほど圧力損失が大きくなり流量の減少量が著しくなってしまいます。

そのためフルボアの方が圧力損失は小さくなります。

流量が多い場合はフルボアの方が良いです。

バルブ自体の大きさ

レジューストボアはボア径が小さいためボール自体のサイズが小さくなります。

またそれに伴い重量も軽くなります。

バルブ自体のサイズを小さくしたい場合はレジューストボアの方が良いです。

価格

フルボアはボールサイズや本体サイズも大きいため高価になってしまいます。

安価に済ませたい場合はレジューストボアの方が良いです。

オススメ書籍

トコトンやさしいバルブの本

まずバルブを勉強するときに読む本です。

プラントレイアウトと配管設計

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その他にも石油化学・ガス処理・発電などプラント種別に応じた配管設計が詳しく解説されています。

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