圧着端子の種類と選び方

2022年5月20日 広告

圧着端子には用途に応じた様々な種類が存在します。

圧着端子の種類

  • 端子に接続するもの
    • R形(丸端子):作業性は悪いが抜けにくい
    • Y形(Y端子):作業性は良いが抜けやすい
    • TC形(フェルール端子):より線を単線にできる
  • 電線同士を接続するもの
    • B形(Bスリーブ):2本の電線を突き合わせて接続、同一サイズのみ接続可能
    • P形(Pスリーブ):複数の電線を束ねて接続、大きな圧着工具が必要となる
    • E形(リングスリーブ):複数の単線を束ねて接続
    • CE形(絶縁被覆付閉端接続子):複数の電線を束ねて接続、端子自体に定格電流

裸圧着端子

一般的によく使われるのが裸圧着端子です。

R形(丸端子)

裸圧着端子R形

R形はブレーカーや機器など主に電源配線で使われる端子です。

抜けにくい形状をしていることから、危険性の高い箇所はY形ではなくR形を選択します。

一方で端子台のねじを一度外さないといけなく作業性は悪くなってしまいます。

Y形(Y端子、先開形)

裸圧着端子Y形

Y形は計装機器やリレー、信号線の端子台など弱電箇所で使われる端子です。

先が開いた形状のため抜ける恐れがあります。

一方で端子台のねじをあまり回さずとも取り付けられる利便性の高さがあります。

TC形(棒端子、フェルール端子)

TC形は、より線を単線にして器具に接続するのに使います。

例えば制御盤においてはコンセントの配線をするときにも役立ちます。

圧着した後でも被覆を上から取り付けられるのが他と違って良いところです。

近年は、ねじ式の端子接続方式からフェルール端子を差し込む形式の機器も増えてきました。

裸圧着スリーブ

裸圧着スリーブは複数の電線を接続するのに使います。

B形(Bスリーブ)

B形は2つの電線を突き合わせて接続します。

直線的に接続できるため配線がスッキリするのが特徴です。

両端を1回ずつ、計2回圧着します。

両端は同一の穴径になっているため、同じサイズの電線しか接続できません。

別のサイズ同士の電線を繋ぐ場合はP形を使用します。

P形(Pスリーブ)

裸圧着スリーブP形

P形は複数の電線を束ねて圧着します。

B形と違って異なるサイズの電線も接続できます。

電線の断面積を合計した値からスリーブの種類を選択します。

ただし断面積が自然と大きくなるため大きな圧着工具を用意しなければなりません。

両端から電線を差し込んで圧着すれば直線的に配線できます。

E形(リングスリーブ)

E形は第二種電気工事士の試験で頻繁に使用する圧着端子です。

VVFケーブルなどの単線を複数本束ねて圧着します。

リングスリーブ専用工具で圧着しなければなりません。

絶縁被覆付きがある

絶縁被覆付き圧着端子

裸圧着端子や裸圧着スリーブには絶縁被覆付きのものも存在します。

短絡防止の役割があります。

細い配線を圧着する場合、絶縁被覆が電線の急な曲がりを防ぐ保護にもなります。

圧着工具は絶縁被覆付き用を使わなければなりません。

CE形(絶縁被覆付閉端接続子)

絶縁被覆付閉端接続子CE形

CE形は信号線のような弱電で使用されます。

絶縁保護されており使いやすいですが、端子自体に定格電流があるため注意が必要です。

またCE用の圧着工具を使用しなければなりません

(参考)"圧着"工具と"圧縮"工具の違い

今回紹介した端子は圧着工具を用いて取り付けます。

似たものに"圧縮"工具が存在します。

どちらも端子を押しつぶして端子を接続するのですが、押しつぶし方に違いがあります。

  • 圧着工具:突起した刃の一点で潰す
  • 圧縮工具:両側から押し込み周囲を均等に潰す

圧縮工具は、例えばT型コネクタの圧着に使われます。

片方から1本、もう片方から2本の電線を圧着してT字に分岐する接続方法です。

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