配管設計で意外と大切なのがバルブハンドルの考慮です。
用途とスペースに応じた選定が必要です。
使用頻度が高いハンドル
ここでは特に使用頻度の高いレバーハンドルと丸形ハンドルを解説します。
それぞれにも様々な種類が存在します。
レバーハンドル
レバーハンドルはハンドルを90度回して開閉操作するためのハンドルです。
ハンドルと連動して弁体が同じように回転するのが特徴です。
ボールバルブやバタフライバルブに使用されます。
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大口径のバルブを回すには力が必要なため、ハンドルは長くする必要があります。
そのため隣り合うハンドル同士が接触しないよう間隔を空けてバルブを設置しなければなりません。
一方でレバーハンドルは取り外すことも出来ます。
操作時のみ取り付けることで不要なハンドル操作を防ぐことも出来ます。
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バタフライバルブは開度を調節することも可能です。
誤って開度が変わらないよう、目盛りや固定部が付いたロックレバー式のハンドルもあります。
丸形ハンドル
丸形ハンドルは弁体を繋ぐ軸がねじ構造になっています。
ハンドルを回すことでねじが回り、弁体が上下する仕組みです。
グローブバルブやゲートバルブに使用されます。
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レバーハンドルと比べて大口径でもスペースを取りません。
そのため片手で回せるものから両手で回すものまで、幅広いサイズに対応していることが特徴です。
また丸形ハンドルにはウォームギヤ式も存在します。
ハンドルを回すのに少ない力で回すことができ、大口径のバルブでも使用可能です。
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小径バルブで使われるハンドル
プラントでの使用頻度が高くはないですが、知っておきたいハンドルを取り上げます。
蝶形ハンドル
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蝶形ハンドルは文字通り蝶の羽のようなハンドル形状になっています。
回転方向に面があるため力を入れやすくなっています。
小型ながらも回しやすいことが特徴です。
つまんで回す形状であることから、25A程度までの小口径までしか対応していません。
T形ハンドル
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ハンドルがT字をしており、省スペースに設置ができます。
蝶形ハンドルとは違って握って回すことができるため、中口径まで対応できます。
ドライバー式
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ドライバー式ハンドルは洗面所の水道管にも使われている形式です。
バルブ操作にはドライバーを用い、そもそもバルブ自体にハンドルが付いていません。
非常に省スペースになる一方、操作をする際には器具を持ってくる必要があり手間がかかります。
滅多に操作しないような場所には適しています。
ハンドルの補助機器
ハンドルを回す補助機器も存在します。
特に口径が大きくなるほど力が必要になるため重宝します。
自動化にアクチュエーター
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当然バルブハンドルは現場で操作しなければなりません。
バルブ操作を自動化するためにはアクチュエーターを取り付けます。
アクチュエーターは電気や空気圧で作動して弁体を動かします。
代表的な自動操作バルブとしてコントロールバルブが挙げられます。
ハンドル回し
手動操作では力が足りない場合、"ハンドル回し"を使用します。
ハンドル回しには長い持ちてとハンドルに引っかけるカギの部分が付いています。
ハンドルに引っかけ、てこの原理を利用して回すことで重たいハンドルも操作可能です。
ただしバルブメーカーが指示する制限トルクの範囲内で使用しなければなりません。
オススメ書籍
・トコトンやさしいバルブの本
まずバルブを勉強するときにオススメの書籍です。
業種問わず、基本的なバルブに関する知識が得られます。
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・はじめての配管技術
配管の構成要素と基本的な設計について1歩踏み込んだ学習ができます。
バルブに関しては構造や種類、材料、圧力/温度特性について解説されています。
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はじめての配管技術
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・プラントレイアウトと配管設計
各種バルブの使い方や長所・短所を学ぶことができます。
その他にも石油化学・ガス処理・発電などプラント種別に応じた配管設計が詳しく解説されています。
初学者の方は本書の前に上記2冊を読んでから手に取ることをオススメします。
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プラントレイアウトと配管設計
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