三方弁とは
三方弁とは流体の出入り口が3方向あるバルブ(特にボールバルブ)です。
ハンドルを0度と90度に回すことで流路を切り替えることができます。
二方弁を2つ組み合わせるよりも配管コスト削減と省スペースになります。
三方弁の主な用途は以下の2つです。
- ”流路”変更:2本の配管のうち流体の流れ方向を切り替える
- ”流体”変更:2本の配管のうち使用する流体に切り替える
三方弁の構造
タイトルにも記載の通り、三方弁の構造にはLポートとTポートの2種類が存在します。
その流れ方向は多く、以下の5通りがあります。

Lポート
Lポートはハンドルを回すことで左右のL字方向に流路を切り替えます。
流路切り替えパターンは1種類のみ存在します。

ただしLポートには三方二面シートと三方四面シートの2種類が存在するため注意が必要です。
シートとはシートパッキン(ボールシート)の事を指します。
流体の圧力でシートを押し付けることでバルブ内をシールし液漏れを防ぐ役割があります。
ボール部分にシートを二面もしくは四面に取り付けるかで種類が分かれているのです。
- 三方二面シート:流路変更で使用
- 三方四面シート:流体変更で使用
Tポート
Tポートはハンドルを回すことで直線とL字方向に流路を切り替えます。
流路切り替えパターンは大きく分けると3方向⇔2方向、2方向⇔2方向の2パターンです。
バリエーションは全部で4種類存在します。
まずは3方向⇔2方向の切り替えです。

(3方向⇔2方向)

(3方向⇔2方向)
次に2方向⇔2方向の切り替えです。

(2方向⇔2方向)

(2方向⇔2方向)
Tポートの問題点は液だまりが発生する点です。
そのため理由が無い限りはLポートを使用した方がクリーンな運用が見込めます。
下図の赤色部分に液だまりが発生します。

(赤色部分に液だまり発生)
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各種バルブの使い方や長所・短所を学ぶことができます。
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