【三方弁の仕組み】Lポート、Tポートでの流れの違い

2021年6月17日

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三方弁とは

三方弁とは流体の出入り口が3方向あるバルブ(特にボールバルブ)です。

ハンドルを0度と90度に回すことで流路を切り替えることができます。

二方弁を2つ組み合わせるよりも配管コスト削減と省スペースになります。

三方弁の主な用途は以下の2つです。

  • ”流路”変更:2本の配管のうち流体の流れ方向を切り替える
  • ”流体”変更:2本の配管のうち使用する流体に切り替える
ボールバルブの特徴

三方弁の構造

タイトルにも記載の通り、三方弁の構造にはLポートとTポートの2種類が存在します。

その流れ方向は多く、以下の5通りがあります。

三方弁の流れ方向

Lポート

Lポートはハンドルを回すことで左右のL字方向に流路を切り替えます。

流路切り替えパターンは1種類のみ存在します。

Lポート切り替えパターン

ただしLポートには三方二面シートと三方四面シートの2種類が存在するため注意が必要です。

シートとはシートパッキン(ボールシート)の事を指します。

流体の圧力でシートを押し付けることでバルブ内をシールし液漏れを防ぐ役割があります。

ボール部分にシートを二面もしくは四面に取り付けるかで種類が分かれているのです。

  • 三方二面シート:流路変更で使用
  • 三方四面シート:流体変更で使用

Tポート

Tポートはハンドルを回すことで直線とL字方向に流路を切り替えます。

流路切り替えパターンは大きく分けると3方向⇔2方向、2方向⇔2方向の2パターンです。

バリエーションは全部で4種類存在します。

まずは3方向⇔2方向の切り替えです。

Tポート切り替えパターン1
(3方向⇔2方向)
Tポート切り替えパターン2
(3方向⇔2方向)

次に2方向⇔2方向の切り替えです。

Tポート切り替えパターン3
(2方向⇔2方向)
Tポート切り替えパターン4
(2方向⇔2方向)

Tポートの問題点は液だまりが発生する点です。

そのため理由が無い限りはLポートを使用した方がクリーンな運用が見込めます。

下図の赤色部分に液だまりが発生します。

Tポート液だまり箇所
(赤色部分に液だまり発生)

オススメ書籍

・トコトンやさしいバルブの本

まずバルブを勉強するときにオススメの書籍です。
業種問わず、基本的なバルブに関する知識が得られます。

トコトンやさしいバルブの本
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・はじめての配管技術

配管の構成要素と基本的な設計について1歩踏み込んだ学習ができます。
バルブに関しては構造や種類、材料、圧力/温度特性について解説されています。

はじめての配管技術
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・プラントレイアウトと配管設計

各種バルブの使い方や長所・短所を学ぶことができます。
その他にも石油化学・ガス処理・発電などプラント種別に応じた配管設計が詳しく解説されています。
初学者の方は本書の前に上記2冊を読んでから手に取ることをオススメします。

プラントレイアウトと配管設計
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