ボールバルブの一種である三方弁にはボール内の流路をL形とT形にした2種類の構造が存在します。
Lポートは左右のL字方向に流路を切り替え、Tポートは直線とL字方向に流路を切り替える役割があります。
三方弁の特徴
- Lポートは左右のL字方向に流路を切り替える
- Tポートは直線とL字方向に流路を切り替える
- 液だまりを防ぐためにもLポートを選択する方が良い

三方弁とは
三方弁とは流体の出入り口が3方向あるバルブを指します。
一般的には流路を3つもつボールバルブに対して使用する用語です。
ハンドルを0度と90度に回すことで2種類の流路に切り替えることができます。
流路を開閉するボールバルブを2つ組み合わせるよりも配管コスト削減と省スペースに有利です。
三方弁の主な用途は以下の2つです。
三方弁の用途
- (切替)1本の配管から流れてくる流体を2種類の方向に切り替える
- (分流)2本の配管から流れてくる流体を三方弁で合流させ、排出させる流体を切り替える
三方弁の構造の基礎となるボールバルブの特徴については以下の記事で解説しています。
三方弁の構造
タイトルにも記載している通り、三方弁の構造にはLポートとTポートの2種類存在します。
各構造で可能な流れの方向を示しながら解説していきます。
Lポート
Lポートはハンドルを回すことで左右のL字方向に流路を切り替えます。
流路切り替えパターンは1種類のみ存在します。

ただしLポートには三方二面シートと三方四面シートの2種類が存在するため注意が必要です。
シートとはシートパッキン(ボールシート)の事を指します。
流体の圧力でシートを押し付けることでバルブ内をシールし液漏れを防ぐ役割があります。
ボール部分にシートを二面もしくは四面に取り付けるかで種類が分かれているのです。
使い分け
- 三方二面シート:流路切り替え(切替)で使用
- 三方四面シート:流体切り替え(分流)で使用
Tポート
Tポートはハンドルを回すことで直線とL字方向に流路を切り替えます。
流路切り替えパターンは大きく分けると3方向⇔2方向、2方向⇔2方向の2パターンです。
バリエーションは全部で4種類存在します。
まずは3方向⇔2方向の切り替えです。

(3方向⇔2方向)

(3方向⇔2方向)
次に2方向⇔2方向の切り替えです。

(2方向⇔2方向)

(2方向⇔2方向)
Tポートの問題点は液だまりが発生する点です。
そのため理由が無い限りはLポートを使用した方がクリーンな運用が見込めます。
下図の赤色部分に液だまりが発生します。

(赤色部分に液だまり発生)