【図解】フランジのガスケット座

2021年6月20日

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配管をフランジ接続する際にはフランジの間にガスケットを取り付けます。

ガスケットの目的はフランジ同士の隙間を埋めて漏れを防ぐためです。

フランジにガスケットが接触する部分をガスケット座と呼び、形状は使用温度や圧力、配管種別によって様々です。

今回はガスケット座の種類についてそれぞれ解説します。



汎用的に用いられるガスケット座

まずはフランジ接続を選んだ際に一般的に用いられる平面座と全面座について解説します。

平面座は密閉性が高く高価、全面座は密閉性が劣るものの安価という違いがあります。

平面座(RF:Raised Face)

平面座は一般的に使用される形状のフランジです。

ガスケット座面がボルト締結面よりも少し盛り上がっている形状をしています。

これにより密閉性を向上させることができ高圧用途でも使用が可能になります。

平面座イメージ

全面座(FF:Flat Face)

全面座はフランジ面がフラットな形状をしています。

その分安価にはなりますが、ガスケット座面とボルト締結面が同一平面上にあるため密閉性は多少劣ります。

そのためJIS規格だと10K以下、JPI規格だとクラス150以下で使用されることが一般的です。

全面座イメージ

その他のガスケット座

平面座と全面座の他にも形状を工夫したガスケット座があります。

はめ込み形(MF:Male-Female)

凸型のメール座(MF-M)と凹型のフィメール座(MF-F)に分かれており、ガスケットを挟み込むようになっています。

フランジ同士が嵌まり込む形状になっているため芯がずれにくい特徴があります。

はめ込み形イメージ

溝形(TG:Tongue and Groove)

凸型のタング座(TG-T)と凹型のグルーブ座(TG-G)に分かれており、ガスケットを挟み込むようになっています。

ガスケットへ面圧のかかる部分が小さく、はめ込み形(MF)面圧を大きくとれることが特徴です。

ハメ合わせになっておりガスケットが逃げ難い形状になっています。

そのため気密性が要求される高圧配管や真空配管に用いられます。

溝形イメージ

リングジョイント形(RJ:Ring Joint)

深いV型のガスケット溝を設けてありリング状ガスケットを入れられるようになっています。

ガスケットはリングジョイントガスケットという専用の金属製ガスケットがあります。

特徴として高温・高圧用途、水蒸気・熱油・溶剤蒸気など幅広い流体や条件で取り扱えることが挙げられます。

またシール面はフランジ溝中にあるためガスケットの損傷を極力抑えることができます。

損傷が少ない場合は摺り合わせを行えば再利用することも可能です。

リングジョイント形イメージ

セレーション

ANSI規格のフランジには渦巻き状もしくは同心円状の細かい溝加工(セレーション加工)が施されています。

溝形(TG)フランジのようにガスケット面圧を高めることができます。

注意点は各フランジの規格ごとにセレーションの有無が異なることです。

セレーションの有無が異なるフランジ同士を接続する場合、低圧流体においては漏れなく接続できる可能性もありますが好ましくありません。

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まとめ

今回はガスケット座について解説しました。

ガスケット自体の選定も重要ですが、使用環境に応じてガスケット座を変更しなければ漏れの原因となってしまいます。

またガスケットに関しては以下にまとめています。







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