フランジのガスケット座(全面座・平面座)の種類と対応表

配管・材料/フランジフランジの3本目(全5本)公開更新広告

フランジのガスケットが当たる面をガスケット座(フランジ面)と呼びます。

全面座や平面座などの形状の違いと、座に合うガスケットの種類を解説します。

ガスケット座 記号(JIS B 2220) 形状 合うガスケット 主な用途
全面座 FF フランジ面全体が平ら 全面形シートガスケット(リング形も可) JIS 5K〜16K の低圧配管(水・空気など)
平面座 RF ガスケットが当たる部分だけ 1〜3mm 高い リング形シートガスケット、うず巻形(外輪付き) 最も一般的。全面座が使えるのは JIS 16K までで、20K 以上は平面座・はめ込み形・溝形から選ぶ。JPI・ASME でも標準
はめ込み形 MF(メール座 MF-M/フィメール座 MF-F) 凸と凹の段差でガスケットを囲む リング形シートガスケット、うず巻形(基本形・内輪付き) JIS 10K〜63K。芯ずれを防ぎたい箇所
溝形 TG(タング座 TG-T/グルーブ座 TG-G) 凸の突起を相手の溝にはめ込む リング形シートガスケット、うず巻形(基本形) JIS 10K〜63K。高圧・真空など気密性が要る配管
リングジョイント形 RJ(JIS B 2220 にはなく JPI・ASME の座) 座面の溝に金属リングを入れる リングジョイントガスケット(金属) 高温高圧の配管(JPI・ASME 規格のフランジ)
この記事の内容
  1. 呼び圧力とガスケット座の組合せ(JIS B 2220)
  2. 全面座と平面座の違い
  3. 大平面座と小平面座
  4. はめ込み形・溝形・リングジョイント形
  5. 座に合うガスケットの種類
  6. 座面の仕上げとセレーション
  7. 参考資料
  8. 関連記事

呼び圧力とガスケット座の組合せ(JIS B 2220)

JIS B 2220:2012 の表8を呼び圧力ごとにまとめた表です。5K〜16K で平面座と組み合わせられるのは突合せ溶接式(WN)と一体形(IT)だけで、板フランジ(SOP)とハブフランジ(SOH)は規格上は全面座です。ただし市販品には平面座に加工した SOP・BL も多く(JIS表示品の範囲外)、手配時は座を指定します。

呼び圧力 全面座 FF 平面座 RF はめ込み形 MF 溝形 TG
5K ○ WN・IT のみ − −
10K ○ WN・IT のみ ○ ○
10K 薄形 ○ − − −
16K ○ WN・IT のみ ○ ○
20K〜63K − ○ ○ ○

遊合形フランジ(LJ)にはガスケット座がなく、スタブエンドの面がガスケットに当たります。

全面座と平面座の違い

平面座(RF)は、ガスケットが当たる部分だけを 1〜3mm 高くした座です。 当たり面が狭いぶん同じボルト締付力でも面圧が上がり、シール性が高くなります。

周囲に8つのボルト穴が並ぶ、黒いリング状のガスケット3枚。フランジ面全体に当たる形
ボルト穴まで一体の全面形ガスケット(写真:Pixabay)

全面座(FF)は、フランジ面全体が平らな座です。 面圧は平面座より低くなりますが、全面形ガスケットを使えばフランジに曲げがかかりにくく、加工が少ないぶん安価です。

全面座と平面座の断面を同じ縮尺で上下に並べた図。全面座は面全体が平らでガスケットがボルト穴の外まで当たり、平面座は盛り上がった部分だけにリング形ガスケットが当たる
全面座(FF)と平面座(RF)の断面。矢印は締付力、緑がガスケット、白抜きはボルト穴

全面座の板フランジ(SOP)と閉止フランジ(BL)は、5K の 400A 以上・10K の 250A 以上では曲げが大きくなるため、JIS B 2404 も全面形ガスケットを勧めています。平面座と全面座を突き合わせると全面座側は内側だけで当たって曲げがかかるので、同じ座でそろえるのが無難です。

全面座は、ねずみ鋳鉄のフランジ(集中荷重を避けるため)や、高い面圧をかけられない柔らかいガスケットを使うときに選びます。空気や水など、低圧で危険の無いユーティリティーの配管にも使われます。

大平面座と小平面座

カタログの「大平面座」「小平面座」はどちらも平面座(RF)で、座径が違います。JIS B 2220:2012 本文の平面座(表13。50A の座径は 5K で 85mm、10K〜20K で 96mm)がカタログの大平面座に当たり、附属書C(参考)の小平面座(50A で 90mm、100A で 145mm)は、フランジ厚さの参照先から 16K 以上向けと読めます。小平面座用のガスケット寸法は JIS B 2404 になく(メーカーとの協議)、リングガスケットの外径も変わるので、手配時は座の呼び方まで合わせます。

はめ込み形・溝形・リングジョイント形

3つとも、段差や溝でガスケットを囲って逃げにくくし、面圧を上げる座です。JIS B 2220 でははめ込み形と溝形が 10K 以上に規定され、5K と 10K 薄形にはありません。

はめ込み形(MF)は、凸のメール座(MF-M)と凹のフィメール座(MF-F)の組合せです。フランジ同士がはまり込むため芯がずれにくく、ガスケットの外周を段差で押さえられます。

溝形(TG)は、凸のタング座(TG-T)を凹のグルーブ座(TG-G)の溝にはめ込む座です。当たり幅が狭く面圧を大きく取れるため、気密性が要る高圧配管や真空配管に使われます。

リングジョイント形(RJ)は、座面の溝に金属リングを入れ、溝の斜面に押し付けてシールする高温高圧向けの座です。JIS B 2220 には規定がなく、JPI-7S-15 や ASME B16.5 のフランジで使います。

はめ込み形、溝形、リングジョイント形の断面を同じ縮尺で縦に並べた図。はめ込み形は凸の先と凹の底の間、溝形は凸の先と溝の底の間、リングジョイント形は溝の斜面で金属リングを押さえる
はめ込み形(MF)・溝形(TG)・リングジョイント形(RJ)の断面(同じ縮尺。緑がガスケット)

座に合うガスケットの種類

フランジ用ガスケットは、フランジの間に挟んで漏れを止めるシール材です。JIS B 2404(管フランジ用ガスケットの寸法)は、座ごとに使うガスケットの種類と形状を表3〜表5で示しています。適用できる呼び圧力は材質で変わるため、次の表は代表的な組合せです。

ガスケット座 シートガスケット(ジョイントシート・ふっ素樹脂・膨張黒鉛など) ふっ素樹脂ジャケット うず巻形 リングジョイント
全面座 FF 全面形(リング形も可)5K〜16K ○ 5K〜16K − −
平面座 RF リング形・全面形 5K〜30K(材質による) ○ 5K〜20K 外輪付き・内外輪付き 10K〜63K −
はめ込み形 MF リング形 10K〜30K(材質による) − 基本形・内輪付き 10K〜63K −
溝形 TG リング形 10K〜30K(材質による) − 基本形 10K〜63K −
リングジョイント形 RJ − − − ○(金属リング。JIS B 2404 の対象外)

うず巻形は、全面座・平面座では外輪付き、はめ込み形・溝形では外輪なしを使います。内輪がないと締め過ぎや座面での滑りで内径側が変形(菊形変形)することがあるため、それが想定される場合は全面座・平面座で内外輪付き、はめ込み形で内輪付きを JIS B 2404 は勧めています。材料ごとの特徴はフランジに使われるガスケットの種類を参照してください。

座面の仕上げとセレーション

座面には旋削で付けた細かいうず巻状の溝(セレーション)があり、ガスケットを食い込ませて滑りを防ぎます。JIS B 2220 の粗さの目標は、全面座と平面座が Ra 3.2〜6.3µm、はめ込み形と溝形が Ra 3.2µm 以下です(表9)。セレーションのピッチは目標の粗さと刃先半径の組合せで決まり、表10の条件をまとめると 0.25〜0.60mm の範囲です。JPI-7S-15 の平面座もクラス150・300 は Ra 3.2〜6.3µm で、クラス400 以上は 3.2µm に絞られます。規格が違って困るのは仕上げより座径やボルト穴の寸法なので、JIS・JPI・ASME のフランジは規格を混ぜずに接続します。

参考資料

  1. JIS B 2220:2012「鋼製管フランジ」(表3 ガスケット座の種類、表8 フランジとガスケット座との組合せ、表9・表10 座面の仕上げ、表13 ガスケット座の寸法、附属書C 小平面座)(別サイト)www.jisc.go.jp

  2. JIS B 2404:2018「管フランジ用ガスケットの寸法」(表1〜表5 ガスケットの種類とガスケット座との組合せ)(別サイト)www.jisc.go.jp

  3. 南堺フランヂ製作所「フランジの表面仕上げ程度」(JIS B 2220/JPI-7S-15)(別サイト)nankai-flange.co.jp

  4. 南堺フランヂ製作所「JIS表示品の範囲」(大平面座・全面座の区分)(別サイト)nankai-flange.co.jp

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