ねじ込み配管継手の一つとしてニップルがよく用いられます。
実はニップルにも種類があり、知っておくと配管設計において役に立ちます。
今回はニップルの種類について解説します。
ニップルとは
ニップルはねじ込み配管継手の一つで、管の両端はおねじになっています。
一般的な使用方法は2本の配管を接続し延長することです。
規格
ニップルのサイズや種類に関するJIS規格は以下に規定されています。
- JIS B 2301「ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手」
- JIS B 2302「ねじ込み式鋼管製管継手」
- JIS B 2308「ステンレス鋼製ねじ込み式管継手」
ニップルの種類
ここからニップルの種類を名称ごとに分けて解説します。
バレルニップル

画像引用:JFE継手株式会社
ニップルを購入すると言うと一般的にはバレルニップルがイメージされます。
見た目は文字通り樽形(バレル形)をしており胴の中央部分が2~3mm程度だけねじ切られていません。
丸ニップルや短ニップルとも呼ばれます。
ニップルの胴部に六角構造を持たないようなニップルはパイプニップルに分類されます。
後述するクローズニップルやロングニップルも該当します。
クローズニップル

画像引用: JFE継手株式会社
バレルニップルと似た構造ですが、全体がすべてねじ切られた構造をしています。
ロングニップル

画像引用:株式会社キッツ
ねじ切られていない胴部分が長いニップルです。
径違いニップル

画像引用:株式会社キッツ
ニップルの両端の径が違うため、配管径を変更したい場合に使用されます。
レジューサとしての役割を果たします。
配管径に関しては以下の記事で解説しています。
片ニップル

画像引用:株式会社キッツ
片側のみがおねじとなっているニップルは片ニップルと呼ばれます。
おねじの反対側はねじ切られていない通常のパイプとなっています。
両端がおねじの一般的なニップルは両ニップルと大別されます。
六角ニップル

画像引用:株式会社キッツ
ねじ切られていない胴部分に六角構造が設けられており工具で回しやすくなっています。
50A程度に径が大きくなると八角ニップルが採用されます。
ホースニップル

画像引用:株式会社キッツ
片側はおねじ、もう片側はホースが差し込めるタケノコ構造を持ちます。
ねじ形状による違い
ねじ込み配管には「管用平行ねじ」と「管用テーパーねじ」の2種類が存在します。
管用テーパーねじはねじ込みの先に行くほど若干細くなっています。
一般的にはニップルは管用テーパーねじが採用されています。
そのため管用平行ねじのニップルは平行ニップルと呼ばれます。
反対にソケットは管用平行ねじが一般的に採用されています。
まとめ
今回は配管継手の中でもニップルについて解説しました。
思ったよりも種類があったと思います。
配管設計の幅が広がりますので覚えておくことをお勧めします。
その他の配管継手に関しては以下の記事で解説していますのでぜひ参考にしてください。