ファニングの式による配管の摩擦損失の計算

化学工学/流体の基礎流体の基礎の6本目(全7本)公開更新広告

配管内壁と流体の間には摩擦によるエネルギー損失が発生します。

その損失量は圧力損失としてファニングの式より見積もることができます。

流れの状態 配管内壁粗さ レイノルズ数Re 計算式名
層流 関係なし 層流域 ハーゲン・ポアズイユの式
乱流 平滑管 3×103~105 ブラジウスの式
乱流 平滑管 105~3×106 ニクラゼの式
乱流 平滑管 3×103~3×106 プラントル・カルマンの式
乱流 粗面管 乱流域 コールブルックの式
管摩擦係数の計算式選択
この記事の内容
  1. ファニングの式
  2. 層流における管摩擦係数
  3. 乱流における管摩擦係数
  4. ムーディー線図
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ファニングの式

配管内を流体が流れる時、摩擦によるエネルギー損失が発生します。

その時のエネルギー損失量を圧力で表した圧力損失を求める式が一般に用いられます。

ファニングの式は配管長さに対する圧力損失の量を見積もることができます。

計算式

ファニングの式は以下の通りです。

ファニングの式

$$ \Delta P = 4f \left( \frac{\rho u^2 }{2} \right) \left( \frac{L}{D} \right)$$

式は横にスクロールできます

ΔP:圧力損失[Pa]、f:管摩擦係数[-]、ρ:密度[kg/m3]
u:流速[m/s]、L:配管長さ[m]、D:配管内径[m]

水平な直管の縦断面。流れの向きに平均流速u、内径D、圧力を測る上流と下流の2点の間の長さLを示し、上流の圧力と下流の圧力の差が圧力損失ΔPであることを表す。
直管の2点間:L・D・u と、圧力の差が圧力損失ΔP

圧力損失は密度を用いることで水頭(ヘッド)としても表現することができます。

その際、圧力損失ではなく損失ヘッドと呼びます。

損失ヘッドへの変換

$$ h= \frac{\Delta P}{\rho g}$$

式は横にスクロールできます

h:損失ヘッド[m]、ΔP:圧力損失[Pa]
ρ:密度[kg/m3]、g:重力加速度[m/s2]

(関連式)ダルシーワイズバッハの式

圧力損失を求める式にはファニングの式の他にダルシーワイズバッハの式があります。

この式は管摩擦係数を4fからλに表記を変えたファニングの式です。

そのため式の意味や利用目的は同じです。

ダルシーワイズバッハの式

$$ \Delta P = \lambda \left( \frac{\rho u^2 }{2} \right) \left( \frac{L}{D} \right)$$

式は横にスクロールできます

ΔP:圧力損失[Pa]、λ:管摩擦係数[-]、ρ:密度[kg/m3]
u:流速[m/s]、L:配管長さ[m]、D:配管内径[m]

横軸レイノルズ数、縦軸管摩擦係数の両対数グラフ。層流の16/Reとブラジウスの式で計算したファニングのfの線と、その4倍のλの線が平行に並び、どこでも4倍離れている。
同じ流れでも λ は f の4倍。式の λ と 4f は同じ値(層流 16/Re と 64/Re、乱流はブラジウスの式)

層流における管摩擦係数

層流の場合は非常に分かりやすく簡便に計算できます。

ハーゲン・ポアズイユの式

層流の場合はハーゲン・ポアズイユの式を用います。

層流の場合は配管内の面粗さは考慮しません。

ハーゲン・ポアズイユの式

$$ \Delta P = \frac{32 \mu Lu}{D^2} $$

式は横にスクロールできます

ΔP:圧力損失[Pa]、μ:粘度[Pa・s]
L:配管長さ[m]、u:流速[m/s]、D:配管内径[m]

「ハーゲン・ポアズイユの式」を「ファニングの式」に代入すると、管摩擦係数fを求める式が得られます。

層流における管摩擦係数

$$f = \frac{16}{Re} $$

式は横にスクロールできます

f:管摩擦係数[-]、Re:レイノルズ数[-]

乱流における管摩擦係数

乱流における管摩擦係数は配管内壁の粗さを表す相対粗度(ε/D)によって用いる式が変わります。

εは配管内壁の凹凸の平均高さ、Dは配管内径を表します。

平滑管は相対粗度(ε/D)がゼロに限りなく近い、つまりεがほぼゼロであるときを意味します。

例えばガラス管やアクリル管において利用される場合があります。

対して面粗さのある管は粗面管と呼びます。

鋼管などプラントで使用する多くの管は粗面管に該当します。

平滑管、3,000<Re<100,000 の場合(ブラジウスの式)

平滑管でレイノルズ数が10万以下の時はブラジウスの式を用います。

ブラジウスの式

$$ f = 0.0791 Re^{-1/4} $$

式は横にスクロールできます

f:管摩擦係数[-]、Re:レイノルズ数[-]

平滑管、100,000<Re<3,000,000 の場合(ニクラゼの式)

平滑管でレイノルズ数が10万以上の時はニクラゼの式を用います。

ニクラゼの式

$$ f = 0.0008+0.05525 Re^{-0.237} $$

式は横にスクロールできます

f:管摩擦係数[-]、Re:レイノルズ数[-]

平滑管、3000<Re<3,000,000 の場合(プラントル・カルマンの式)

プラントル・カルマンの式は、ブラジウスの式やニクラゼの式に比べてレイノルズ数の適用可能範囲が広いことが特徴です。

ただし両辺に管摩擦係数fの項があるため簡単に計算することはできません。

例えばExcelのゴールシーク機能を用いて求めることができます。

プラントル・カルマンの式

$$ \frac{1}{\sqrt{f}} = 4.0 \log_{10} (Re \sqrt{f})-0.4$$

式は横にスクロールできます

f:管摩擦係数[-]、Re:レイノルズ数[-]

粗面管の場合(コールブルックの式)

粗面管の場合はコールブルックの式を用います。

プラントル・カルマンの式と同様に、両辺に管摩擦係数fの項がありExcelのゴールシーク機能などを用いて計算します。

コールブルックの式

$$ \frac{1}{\sqrt{f}} = -4 \log_{10}{ \left\{ \frac{1}{3.7} \left( \frac{ \epsilon }{D} \right) + \frac{1.255}{Re \sqrt{f}} \right\} }$$

式は横にスクロールできます

f:管摩擦係数[-]、ε:配管粗さ[m]
D:配管内径[m]、Re:レイノルズ数[-]

ムーディー線図

ムーディー線図はレイノルズ数と相対粗度から管摩擦係数λ(もしくは4f)が分かるグラフです。

層流においてはハーゲン・ポアズイユの式、乱流においてはコールブルックの式が用いられています。

横軸レイノルズ数、縦軸管摩擦係数fの両対数グラフ。層流は右下がりの直線f=16/Re。乱流は平滑管のブラジウス・ニクラゼ・プラントル・カルマンの式がほぼ重なり、粗面管(相対粗度0.001)は高いRe側で水平に近づく。
f と Re の関係(ファニングの f。ムーディー線図の縦軸 λ は 4 倍の値)

化学工学関係の多くの書籍にムーディー線図が載っていますので参考にしてみてください。

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