センサーとPLC(Programmable Logic Controller)の入力ユニットを選ぶときに出てくる、シンク・ソースとNPN・PNPの対応をまとめました。電流の向きとコモン線の極性で整理すると、どの組み合わせが正しいかを迷わずに判断できます。
シンク・ソースとNPN・PNPの対応 早見表
| 出力側(センサーなど) | トランジスタ | 信号線の電流の向き | 負荷をつなぐ位置 | 出力側のコモン | 受ける入力ユニット |
|---|---|---|---|---|---|
| シンク出力 | NPN型 | 相手から出力側へ流れ込む | 出力と+24Vの間 | マイナスコモン(0V) | プラスコモン(COMを+24Vへ) |
| ソース出力 | PNP型 | 出力側から相手へ流れ出す | 出力と0Vの間 | プラスコモン(+24V) | マイナスコモン(COMを0Vへ) |
日本と北米で一般的なのは上の行、欧州で主流なのは下の行です。入力側を「シンク入力」「ソース入力」のどちらで呼ぶかはメーカーで割れています。三菱電機のFXシリーズはNPNセンサーを受けるプラスコモン側を「シンク入力」と呼び、富士電機は同じ側を規格準拠の「ソース入力」と呼ぶため、本記事では入力側をプラスコモン/マイナスコモンで表します。
シンクとソースの違い
シンクとソースは、機器の信号線に流れる電流の向きで区別します。相手の機器から電流が流れ込んでくるのがシンク(sink=流し)、相手へ電流を流し出すのがソース(source=源)です。センサーで言えばNPN出力がシンク出力、PNP出力がソース出力にあたります。

電流の向きが逆なので、シンク出力の機器は0V側がコモン線(マイナスコモン)、ソース出力の機器は+24V側がコモン線(プラスコモン)です。PLCのトランジスタ出力ユニットも同じ呼び分けで、COMが0V側のものをシンクタイプ、+24V側のものをソースタイプと呼びます。コモン線の基本はコモン線(COM)の意味と配線方法にまとめています。
NPNとPNPの違い
NPN型とPNP型は、n型とp型の半導体の重ね方が逆になったトランジスタです。NPN型はベース(B)からエミッタ(E)へ電流を流すとコレクタ(C)からエミッタ(E)へ電流が流れ、PNP型はエミッタ(E)からベース(B)へ流すとエミッタ(E)からコレクタ(C)へ流れます。

センサーの出力段にどちらを使うかで、信号線の電流の向きが決まります。NPN出力はエミッタが0V側につながり負荷は+24Vと出力の間、PNP出力はエミッタが+24V側につながり負荷は出力と0Vの間です。
入力と出力の正しい組み合わせ
センサーの出力とPLCの入力ユニットは、信号線の電流の向きが合う組み合わせでないと回路がつながりません。直流3線式センサーのリード線の色はJIS C 8201-5-2で茶が+、青が−、黒が出力と決まっていて、NPNとPNPで割り当ては変わりません。
NPN出力(シンク出力)とプラスコモン入力
NPN出力センサーは黒線から0Vへ電流を引き込むため、COM端子を+24Vにつないだ入力ユニットと組み合わせます。電流は入力ユニットのCOMから入力回路(フォトカプラ)を通り、センサーの黒線へ流れます。

PNP出力(ソース出力)とマイナスコモン入力
PNP出力センサーは黒線に+24Vを送り出すので、COM端子を0Vにつないだ入力ユニットと組み合わせます。電流はセンサーの黒線から入力ユニットへ流れ込み、COMから0Vへ戻ります。

組み合わせを間違えると
組み合わせを逆にすると、センサーの出力と入力ユニットの電位が同じになって電流が流れず、センサーがONしても入力は反応しません。オムロンのFAQには、一般的なセンサーや入力機器には出力短絡保護などの保護機能が付いているため、誤配線で故障する可能性は低いと書かれています。
見分けるコツは、コモン線ではない側の配線、センサーなら黒線に流れる電流の向きだけを見ることです。
日本と海外の使い分け
日本と北米ではNPN出力(シンク出力)のセンサーとプラスコモンの入力ユニットが一般的で、欧州ではPNP出力(ソース出力)とマイナスコモン入力が主流です。海外向けの装置や輸入設備を扱うときは、仕様書でNPNかPNPかを最初に確認します。
三菱電機のFXシリーズでは、S/S端子(COM)を24Vにつなぎ、入力端子を0Vに短絡するとONになる設定を「シンク入力」と呼びます。富士電機は同じプラスコモン側を規格準拠の「ソース入力」と呼び、相手はどちらもNPN出力センサーです。呼び名ではなく、COM端子の電位と電流の向きで確認します。
断線・地絡時の違い
信号線(黒線)が断線して盤の筐体に触れ、0V側につながった場合(地絡)の挙動です。完全に断線して開放になっただけなら、どちらの方式も入力はOFFになります。
- NPN出力+プラスコモン入力は、入力がONし続けます。 入力端子が0Vに落ちて回路がつながるためで、故障箇所は見つけやすい反面、機器が意図せず動き出すおそれがあります。センサー側には電流が流れないので、センサーは故障しにくい回路です。
- PNP出力+マイナスコモン入力は、入力がOFFのままです。 入力ユニットに電流が流れないため機器が急に動き出す可能性は低く、この点では安全側と考えられます。一方でセンサーの出力が0Vに短絡するので、保護機能がないと過電流で焼損するおそれがあります。


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参考資料
- オムロン 製品に関するFAQ「FAQ00379 【動画付き】センサのNPN出力(シンク)とPNP出力(ソース)の違いを教えてください」 https://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq00379.html
- オムロン 製品に関するFAQ「FAQ000129906 NPN出力とPNP出力のセンサの接続を間違えるとどうなりますか?」 https://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq000129906.html
- オムロン 製品に関するFAQ「FAQ00242 PLCのトランジスタ出力のシンクタイプとソースタイプとの使い分けを教えてください」 https://www.fa.omron.co.jp/guide/faq/detail/faq00242.html
- オムロン「センサの上手な使い方 3. 出力」(出典:日本電気制御機器工業会「制御機器の基礎知識-選び方・使い方-センサ編」2001) https://www.fa.omron.co.jp/product/special/knowledge/common/goodusage3.html
- キーエンス センサとは.com「センサのNPN/PNPについて」 https://www.keyence.co.jp/ss/products/sensor/sensorbasics/pe-npn-pnp.jsp
- 三菱電機 FX3Sハードウェアマニュアル JY997D48301(入力仕様「シンク入力=NPNオープンコレクタ」「ソース入力=PNPオープンコレクタ」)https://www.mitsubishielectric.com/dl/fa/document/manual/plc_fx/jy997d48301/jy997d48301jj.pdf /同 FA よくある質問 FAQ12124「「S/S」端子の扱い」 https://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/12124 /富士電機機器制御 FAQ5046「NPN入力とはどのようなものですか」(入力側の呼称が資料で割れる例) https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/5046
- パナソニック 制御機器FAQ「センサ出力のNPNとPNPは、何が違いますか?」 https://ac-faq.industrial.panasonic.com/ja-jp/knowledge/fasys/sensor/photoelectric/photoelectric/npn-pnp-difference
- JIS C 8201-5-2:2023「低圧開閉装置及び制御装置-第5-2部:制御回路機器及び開閉素子-近接スイッチ」(リード線の色)
- 三菱電機 FA eラーニング「2.4 安全機器の配線方法」(NPN接続・PNP接続の地絡時の挙動) https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/ssl/learn/el/eln/course/fa_0221/cha_2/02040001.html
更新履歴 2026-09 早見表を追加。メーカーで呼び方が逆になる点(三菱FX)と誤配線時の挙動を追記。図を12枚から6枚に整理し、地の文を短縮。





