様々なロボットハンドの形状

2023年11月29日

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把持ハンド

ワークをつかむハンドを把持(はじ)ハンドと呼びます。

大きくは把持と吸着の2種類に分類されます。

外把持と内把持

把持の方法として大きく外把持と内把持に大きく分かれます。

外把持は物体を外側から挟み、内把持は物体を内側から支える方法です。

内把持はリング状の物体など、内側に空間がある場合に利用されます。

外把持と内把持の違い(同形状ワークでの例)

爪の本数で把持が変化

把持ハンドに使われる爪の本数は2本(2爪)と3本(3爪)が一般的です。

  • 2爪ハンド:角形のワーク
  • 3爪ハンド:丸や円筒形のワーク
  • 5爪ハンド:複雑な形状のワーク

基本的に2爪ハンドの活用を考え、難しい場合は3爪ハンドを使う考え方で大丈夫です。

例えば3爪ハンドだと、本棚に入った本を取り出す操作が出来たりと自由度が広がります。

爪の開閉方法

把持の機構は大きく平行開閉式と支点開閉式の2種類あります。

平行開閉式は爪が横に開閉する方式で、支点開閉式は爪が扇状に開閉する方式です。

比較要素平行開閉式支点開閉式
開閉方式爪が横に開閉爪が扇状に開閉
ティーチングしやすさワークとの位置関係が分かりやすい多少の慣れが必要
把持可能なワークサイズ開閉範囲に近い掴む深さでサイズが変わる
把持の際のスペース爪全体を深く差し込むためスペース必要狭い場所でも掴みに向かえる
開閉イメージ
爪の開閉方式の違い

道具を掴めば可能性が広がる

ロボットハンドは爪の本数で可能な作業が分かれますが、人のように道具を持って作業することも出来ます。

例えば「容器をもって液体をすくい取る」「ローラーをもってラベルを撫で付けする」「棒をもって遠くの機器を操作する」など、道具を持たせると1種類のハンドでも可能性が広がります。

吸着ハンド

ワークを表面でくっつけるハンドを吸着ハンドと呼びます。

大きくは把持と吸着の2種類に分類されます。

真空での吸着

吸着で一般的なのは真空パッドを用いた吸着です。

ワークとの接触箇所はゴム質で、中が空洞になっており、上部から真空引きして内部を減圧することでワークを吸い付けます。

吸着パッドの数や直径、真空度を工夫することで搬送できるワークを調整できることが特徴です。

吸着パッドイメージ

磁力での吸着

金属を吸着するときは磁力も使えます。

一般には電磁石が使われ、吸着したいときだけ磁力を発生させる仕組みです。

例えば波板やパンチ穴の開いた板など、真空にするのが困難な形状でも吸着できます。

粘着

個人的に面白かった機構でOn Robot社が開発した粘着ハンドGeckoがあります。

ヤモリにヒントを得た粘着機構で、ワークにハンドをくっつけるだけという単純な動作になっています。

また電気や圧縮空気の供給が不要で、ワークを離すときは斜めから接地することで外れる仕組みです。

ソフトロボットハンド

これまでロボットハンドは金属やプラスチックを用いた剛性のあるハンドが一般的でした。

そのためワーク形状に合わせて詳細なハンド設計が必要です。

近年では、ソフトロボットハンドと呼ばれる人の指に近い形状の柔軟なロボットハンドが販売されるようになってきました。

多品種少量製品に対応しやすく、1台で複数の工程を実施しやすいハード・ソフト両面で柔軟なハンドです。

用途に合わせた特殊形状

ロボットハンドはアイディア次第で様々な動作をさせることが出来ます。

その一部を紹介します。

ダンボールの組み立て梱包

段ボールの組み立て梱包は「段ボール取り出し」「組み立て」「製品梱包」「テープ貼り」「パレタイズ」と複数の工程が行われます。

その際に各工程ごとにハンドを切り替える動作をしては、とても時間が足りません。

複数の役割を持たせたハンド形状にすることで、一連の動作を1つのハンドで実施しています。

二又形状にするとハンド交換要らず

単純な機能を持ったハンドでも、2種類使うときは取り替えなければなりません。

その際に二又形状にしてハンドを切り替えられるようにすると動作が効率化できます。

ただし先端の重さが増え、可搬重量が減少しますので注意が必要です。

オススメ書籍

・トコトンやさしいロボットの本

ロボットを構成する要素や技術、また活用場所について解説されています。
まずロボットを理解するためにオススメしたい書籍です。

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいロボットの本 第2版
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・産業用ロボット The ビギニング

産業用ロボットに焦点を当てて、種類や構成要素について詳細な解説がされています。
重要となる法令と規則についても勉強になります。

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・産業用ロボット全史

産業用ロボットを扱うにあたり、予備知識として発展の歴史が学べます。
技術的に何が求められ、技術的に発展し、現在に至るのか非常に参考になります。

産業用ロボット全史 自動化の発展から見る要素技術と生産システムの変遷
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