プラントにおいてポンプは必須の機器です。
ポンプには液体に圧力をかけたり高所へ移送する役割があります。
ポンプの原理
- ポンプが押し出す原理
- 歯車やピストンで押し出す(容積式ポンプ)
- 羽根車の遠心力で押し出す(非容積式ポンプ)
- 押し出しには限界が無い
- ポンプが吸い込む原理
- 液体を押し出すことでポンプ内部は低圧力に
- ポンプ内部と吸込み側の圧力差でポンプに液体が押し込まれる
- 例えば大気圧では10mまでしか吸い上げられない
ポンプの役割
まずはポンプの役割について解説します。
ポンプは液体にエネルギーを加えることができる機器です。
液体を高い所へ移送する
基本的に液体は位置エネルギーを持つため上から下に流れていきます。
それに逆らうようにポンプは低い位置にある液体を高い位置まで移送する役割があります。
液体に圧力をかける
液体にエネルギーを加えることで圧力がかかります。
例えば高粘度の液体は流れも遅いため、よくポンプの力で押し出します。
どのように押し出すのか?
ポンプの押し出し原理には容積式ポンプと非容積式ポンプで大きく2種類あります。
容積式ポンプは歯車やピストンを用いて加圧します。
非容積式ポンプは羽根車(インペラ)を回転させて遠心力で圧力エネルギーを加えます。
押し出しの限界
ポンプの押し出し能力には明確な限界はありません。
動力の大きなモーターや構造の工夫、回転速度などで加えるエネルギーを増加できます。
ただし金額や騒音、サイズ、消費電力などを考慮して適切なサイズを選定しなければなりません。
また配管やバルブへの摩擦によるエネルギー損失などで加えたエネルギーが損失することも考慮に入れる必要があります。
どのように吸い込むのか?
液体に圧力をかけて押し出すことでポンプ内部の圧力は反対に下がってしまいます。
この時、吸い込み側にかかる圧力がポンプ内部の圧力よりも高い場合、圧力差によりポンプ内部に液が押し込まれていきます。
これがポンプが吸い込む原理です。
つまり、ポンプは吸い込んでいるのではなく押し込まれているイメージを持つことが大切です。
吸い込みの限界
ポンプの押し出しとは対照的に、吸い込みには限界があります。
そもそも吸込みには吸込み側とポンプ内部との圧力差を利用します。
つまり吸込み側にかかる圧力以上の力で吸い込むことはできません。
例えば吸込み側の液面に大気圧がかかっている場合、ポンプ内部が真空状態でも約10mまでしか吸い上げることが出来ません。