配管

配管の腐食原因と対策

プラントにおける配管は何十年も使用することから錆の問題は避けられません。

金属が錆びることを腐食と呼びます。

配管の腐食には水に関する原因、機械的な原因、電気的な原因の3種類に分けられます。

今回は配管を対象に代表的な腐食の原因と対策をそれぞれ解説します。

詳しい解説は目次から項目をクリックしてご確認ください。

腐食のメカニズム

腐食が起きる根本的な原因は水分と酸素の存在です。

つまり鉄を水分や酸素に触れさせない対策が一般的にとられます。

以下の腐食機構をイメージしておけば以降の理解に繋がります。

腐食機構

  1. 鉄の表面に水分が付着する
  2. 水分に鉄が溶けだし鉄イオンになる
  3. 空気中の酸素と鉄が反応して酸化鉄が生成される

水に関する原因

まずは水に関する原因から解説します。

対策

原因が水である場合、対策はステンレス鋼を使用することが一番簡単な方法です。

雨のような外側からの水の影響を減らしたい場合は鉄配管に塗装を施す方法もあります。

ステンレス鋼に比べて安価ではありますが定期的に再塗装する必要があり保守運用コストがかかります。

例えば蒸気配管を暫く使用しない場合では配管内の水抜きをやる対策もあります。

その際は水抜きを想定した液だまりのできない配管設計を行わなければなりません。

水温の影響

腐食においての水温は、水中の溶存酸素の量に影響します。

およそ80℃程度までは温度が高いほど腐食反応が促進されます。

一方で80℃を超えてくると溶存酸素が水から分離しづらくなり腐食速度は減少します。

pHの影響

腐食は鉄の酸化現象でありpH=4以下になると急速に腐食が進みます。

一方でアルカリ環境下では腐食速度は低下します。

pH=12以上では不動態被膜を形成するため腐食を防ぐようになります。

一般的にはステンレス鋼を使用すれば良いのですが、pHが低くなるにつれてSUS304ではなくSUS316やSUS316Lを選択しなければなりません。

例えば塩酸のような強酸性液体の場合はハステロイやライニング鋼管などを使用します。

ライニング鋼管に関しては以下の記事で解説しています。

塩の影響

海に近い場所で腐食が発生しやすいのは海水に含まれる塩が原因です。

塩は吸湿性が高いため大気中の水分を集めます。

更に塩水は水に溶けることで電解質となりうることから腐食の進行を早めてしまいます。

そのため塩が付着した配管は腐食が起きやすくなります。

機械的影響

次は配管内の流れや応力に関する機械的な原因を解説します。

流速の影響(ミクロセル、エロージョン)

配管内の流速が低い場合、中に固形物が堆積してしまいます。

堆積物と配管の間に水を介して電位差が発生することで腐食が発生します。

このような部分的な電池をミクロセルと呼びます。

ただし流速を上げすぎるとエロージョンが発生するため注意が必要です。

エロージョンにより錆が取り除かれ、その後新たな錆が発生する潰食という悪循環に陥ってしまいます。

一般的に配管流速は2 m/s以下が良いとされています。

コストはかかりますが、内面ライニング鋼管と管端防食継手を使用することで金属と液の接触を防ぐこともできます。

応力腐食

オーステナイト系ステンレス鋼に起きうる腐食です。

代表的なものとしてSUS304やSUS316が挙げられます。

塩化物などを含む液体を使用している際に配管に応力がかかると腐食が発生しそこから割れが生じます(応力腐食割れ)

塩化物水溶液だけでなく海水も原因の一つですので注意が必要です。

結晶粒界付近でのクロム炭化物生成が原因ですので、極低炭素鋼であるSUS316Lを使用することで対策することができます。

異種金属接触

異種金属を液中で接触させたままにした場合、イオン化傾向の差によって腐食が発生します。

これをガルバニック腐食(ガルバニックコロージョン)といいます。

炭素鋼とステンレス鋼の接触でもガルバニック腐食が起きます。

例えば異種金属のフランジにおいては絶縁フランジを用いるなど対策を行い接続する必要があります。

フランジのみならず、フランジとボルトの材質が違うことで締結部付近から腐食が発生する事例が多数あります。

まとめ

今回は配管の腐食について解説しました。

以下にポイントをまとめました。

ポイント

  • 腐食の原因は水分と酸素
  • 塩の存在は腐食を早める
  • 一般的な対策はステンレス鋼を使用すること
  • 低すぎる流速、高すぎる流速はミクロセルや潰食の原因となる
  • 異種金属を接続する際にはガルバニック腐食に注意
記事への問い合わせはこちらから

-配管