連続の式による流体の質量保存則

化学工学/流体の基礎流体の基礎の2本目(全7本)公開更新広告

流量の表し方から、質量保存則である連続の式と、それが成り立たない条件までを解説します。

この記事の内容
  1. (前提知識)流量の表現
  2. 連続の式とは?
  3. 成り立たない条件
  4. 関連記事

(前提知識)流量の表現

流量は単位時間に流れる流体の体積や質量を表します。

体積流量

一般的に用いられる流量は体積流量です。

流量計の多くは体積流量にて計測されます。

ただし温度や圧力で体積が変化するため、それを考慮しなければなりません。

また体積流量は配管断面積を用いることで配管内流速へ換算することも出来ます。

配管流速

$$ u=\frac{Q}{A} $$

式は横にスクロールできます

u:配管流速[m/s]、Q:体積流量[m3/s]、A:配管断面積[m2]

流速は配管の圧力損失や腐食へ直結する重要な要素です。

横軸が配管の内径、縦軸が流速のグラフ。体積流量10 m³/hのとき、内径50 mmで流速は約1.41 m/s。内径が小さいほど流速は急に大きくなる。
内径と流速(例:体積流量 10 m³/h の液体。u=Q/A、A=πd²/4)

質量流量

化学工学計算では質量流量がよく用いられます。

それは質量流量が圧力や温度に影響されないためです。

ただしコリオリ流量計を始めとした質量流量計を使用しなければなりません。

もしくは流量測定箇所の温度での密度で換算する必要があります。

質量流量

$$ m=Q\times \rho $$

式は横にスクロールできます

m:質量流量[kg/s]、Q:体積流量[m3/s]、ρ:密度[kg/m3]

また密度は変化するため、配管内流速も変化します。

横軸が絶対圧力、縦軸が500 kPaを基準にした比のグラフ。圧力が下がると密度は下がり、流速は反比例して上がるが、密度×流速×断面積の質量流量は一定のまま。
気体の例:同じ管径で圧力が 500→100 kPa に下がると、密度は 1/5、流速は5倍。質量流量は一定(等温の理想気体)

連続の式とは?

連続の式は流体における質量保存則です。

配管内の切れ目のない連続した流れにおいて、質量流量は一定になります。

管の断面積には影響されません。

レジューサを例に考える

配管の途中にレジューサを設けたとして、その前後での質量流量は変化しません。

そのため、密度を一定と考えれば配管断面積と流速が反比例します。

そのため断面積が小さくなった場合、細い配管側は流速が速くなります。

レジューサの前の断面①と後の断面②。それぞれ1秒間に通る流体を色で示す。細い側は断面積が小さい分、長さ(流速)が2倍になり、通る質量は同じ。
1秒間に断面を通る流体(例:断面積比 2:1、密度一定)。細い側ほど流速が大きい

成り立たない条件

一連の流れの中で温度や圧力、流量が変化しない流れを定常流れと呼びます。

定常流れにおいて連続の式が成立します。

流れが途切れる場合

連続の式は、あくまで配管内の切れ目のない連続した流れにおいて成り立つ式です。

流れが途中で切れている部分では成り立ちません。

言い換えればパイプラインのように数百メートルでも配管内に流体が満たされていれば連続の式が利用できます。

温度や圧力が変化する場合

断面積と流速が反比例する形の連続の式が成立するには、温度や圧力が一定でなければなりません。

それは温度や圧力が密度へ影響を及ぼすためです。

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