内側に厚さx1=150 mm、熱伝導度k1=1.5 Wm-1K-1の断熱材を使い、外側に厚さx2=100 mm、熱伝導度λ2=0.2 Wm-1K-1の断熱材を用いた炉がある。定常状態において、炉内温度がT1=800℃、外面温度T2=140℃の時、内側の断熱材と外側の断熱材の境界面の温度Tとして最も適切なものはどれか。
熱伝導において、熱流束q(Wm-2)はフーリエの法則q=-k(dT/dx)に従うものとする。
- 690℃
- 720℃
- 750℃
- 780℃
- 810℃
解答解説
正答は1番です。
この問題におけるフーリエの法則q=-k(dT/dx)をまず理解します。(dT/dx)は温度の変化量dTと距離の変化量dxの比であることを表します。つまり今回は温度減少量と伝熱距離の比に相当します。
- 断熱材1の熱流束q1:-1.5×(800-T)/ 0.15
- 断熱材1の熱流束q2:-0.2×(T-140)/ 0.10
熱流束qの単位Wm-2はWを変形してJ/s・m-2とも記載できます。つまり熱流束は、ある断面に対して直交する方向に伝わる、単位時間当たりの熱量を意味します。そのため断熱材1と2のように密着して連続的に伝熱する状態では、各断熱材における熱流束q1とq2の値は同じとなります。
各断熱材における熱流束を求めた2式で方程式を解くとT=690℃と求まります。