令和元年度 問34

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気温T2=29.0℃、人体の体内温T=36.0℃のとき、皮膚表面温度T1[℃]に最も近い値はどれか。ただし、皮膚と一体内に厚さδ=4 mmの温度境膜(皮膚膜)を考え、皮膚の熱伝導率λ=0.21 W m-1 K-1とする。また、皮膚表面空気側の伝熱係数をh=8.8 W m-2 K-1とする。

  1. 35.0℃
  2. 33.0℃
  3. 31.5℃
  4. 30.0℃
  5. 29.0℃



解答解説

正答は1番です。

固体の熱流束はフーリエの法則q=-k(dT/dx)から計算できます。(dT/dx)は温度の変化量dTと距離の変化量dxの比であることを表します。

熱流束qの単位Wm-2はWを変形してJ/s・m-2とも記載できます。つまり熱流束は、ある断面に対して直交する方向に伝わる、単位時間当たりの熱量を意味します。そのため皮膚と空気のように密着して連続的に伝熱する状態では、同一面積における皮膚と空気の伝熱量(熱流束)が同じとして計算できます。

フーリエの法則より、皮膚の熱流束は0.21 W m-1 K-1×(36.0-T1)K / 0.004 m=1,890-52.5T1 W/m2です。

空気の熱流束は8.8 W m-2 K-1× (T1-29.0) K=8.8T1-255.2 W/m2です。

2式で方程式を解くとT1=35.0℃と求まります。

参考資料

2024年3月10日