令和元年度(再試験) 問28

二成分系(溶媒と溶質)溶液の蒸気圧に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 溶媒、溶質の純成分の蒸気圧はアントワン式で推算できる。
  2. 溶媒の濃度が大きくなるとその気相分圧はラウールの法則に従う。
  3. 溶質の濃度が小さくなるとその気相分圧はヘンリーの法則に従う。
  4. 溶質の活量係数は常に1より大きい。
  5. 塩の水溶液では純水との間に浸透圧が発生するが、これは溶質を加えることによって低下した溶液の蒸気圧を、純水の蒸気圧にまで上昇させるために必要な圧力と考えることができる。

解答解説

正答は4番です。

活量係数は、実在溶液の挙動が理想溶液からどの程度離れているかを表す指標です。理想溶液ではラウールの法則が成り立ちますが、実在溶液ではこの法則からの差が生じます。この差を表現するのが活量係数です。理想溶液では活量係数が1になります。

ラウールの法則は溶液の蒸気圧が溶媒のモル分率に比例し、ヘンリーの法則は溶解した気体の濃度がその気体の分圧に比例することを表す式です。

参考資料

2024年3月10日 広告

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