平成27年度 問9

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発熱量に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 発熱量とは、ある一定の状態(例えば、105 Pa、25℃)に置かれた単位量(1 kgや1 L)を、必要十分な乾燥空気で完全燃焼させ、その燃焼ガスを元の温度(この場合25℃)まで冷却したときに計測される熱量のことである。
  2. 発熱量は熱量計で計測される。熱量計は、燃料の燃焼熱を熱量計内の水に吸収させ、その水の保有熱量の増加分を燃料の発熱量として計測する。
  3. 石油製品の単位体積当たりの高位発熱量(MJL-1)は、重油、軽油、灯油、ガソリンの順で増加する。
  4. 低位発熱量は、(低位発熱量)=(高位発熱量)-(水蒸気の凝縮潜熱 × 水蒸気量)で計算して求められる。
  5. ボイラ設備やディーゼルエンジン、ガスタービンなどの原動機の熱効率の計算には、一般的に低位発熱量を使用する。



解答解説

正答は3番です。

単位体積当たりの発熱量はガソリン、灯油、軽油、重油の順で増加します。

ある一定の状態(たとえば、1気圧、25℃)に置かれた単位量(1kgや1L)を、必要十分な乾燥空気で完全燃焼させ、その燃焼ガスを元の温度(この場合25℃)まで冷却したときに計測される熱量を発熱量と呼びます。

燃焼により生成した水蒸気が凝縮したときに得られる凝縮潜熱を含めた発熱量が高位発熱量、凝縮潜熱を含まないように考慮した発熱量が低位発熱量です。

発熱量は熱量計で測定されます。熱量計の内部では燃焼によって生成された水蒸気は凝縮するため、高位発熱量が測定されます。

高位発熱量が用いられるのは「日本の総合エネルギー統計」や「日本の火力発電所の発電効率」です。低位発熱量が用いられるのは「原動機の熱効率」や「ボイラ設備の熱効率」です。CO2 排出量計算に使用される発熱量については、日本は高位発熱量、国際エネルギー機関(IEA)は低位発熱量です。

参考資料

日本冷凍空調学会
高位発熱量と低位発熱量

www.jsrae.or.jp

2024年3月10日