多管式熱交換器の構造と分類

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多管式熱交換器の構造と、固定管板式・遊動頭式・U字管式の3つの分類を解説します。

項目 固定管板式 浮動頭式 U字管式
熱応力の耐性 × 〇 〇
シェルメンテナンス性 × △ 〇
チューブメンテナンス性 〇 △ ×
構造の単純さ 〇 × △
密閉性 〇 × △
価格 △ × 〇
多管式熱交換器の構造比較
この記事の内容
  1. 多管式熱交換器の構造
  2. 構造における3つの分類
  3. 関連記事

多管式熱交換器の構造

多管式熱交換器は円筒シェルと複数のチューブ(チューブバンドル)間で熱交換する機構です。

シェルから引き抜かれたチューブバンドル。細い管が束ねられ、右端の管板をチェーンで吊っている
引き抜いたチューブバンドル(写真:Wikimedia Commons)

シェルアンドチューブや円筒多管式などとも呼ばれます。

固定管板式多管式熱交換器の縦断面。円筒のシェルの両端に管板があり、チューブが貫く。シェル内にバッフルプレートが上下交互にあり、両端にチャンネルがある。チューブ流体は左上から右下、シェル流体は右上から左下へ流れる
多管式の各部(固定管板式の例)。2つの流体はチューブの内側とシェル側に分かれて流れる

シェル側の内部にはバッフルプレートが設けてあり、流路が長くなるように設計されています。

上はシェルの側面断面で、バッフルプレートが上下交互に並びシェル流体が上下に蛇行する様子。下はバッフル1枚の正面で、円の一部を切り欠いた板にチューブの穴が並び、切り欠き部を流体が通る
バッフルは流れを蛇行させる。流体は板の切り欠き部だけを通れる

熱交換能力を上げやすいこと、圧力温度の適用範囲が広いことが特徴です。

一方で構造が複雑なためメンテナンス性が悪いことが挙げられます。

構造における3つの分類

多管式熱交換器にはメンテナンス性や熱応力を考慮して、構造が3種類存在します。

固定管板式(両端固定)、浮動頭式(片側の管板が動く)、U字管式(折り返しが自由端)の縦断面を同じ縮尺で並べた図。TEMAの形式記号はBEM、AES、BEU
3形式を同じ縮尺で比較。右上は代表的なTEMA形式の記号(例)

固定管板式

固定管板式はチューブの両端が管板で固定されている構造です。

構造が単純であり密閉性が良いことが特徴です。

ただし両端固定のため熱伸縮に伴う応力の逃げ場が無いため、温度差の大きな流体には向きません。

またチューブをシェルから抜き出せないため、特にシェルのメンテナンスがしづらいことが最大の難点です。

遊動頭式(フローティングヘッド)

浮動頭式はチューブの片側が固定されていない構造です。

固定管板式と異なり熱応力の逃げ場があることが特徴です。

チューブをシェルから抜き出せるためメンテナンスがしやすくなっています。

両流体を仕切りながらも片側が動く高度な構造であり他の形式よりも高価です。

U字管式

U字管式はU字に曲げたチューブを束ねて構成されています。

片側はU字の折り返し部分であるため、チューブの固定は片側です。

そのため熱応力はあまりかかりません。

また構造が単純であるため他の形式よりも安価です。

その一方でチューブ折り返し部分は清掃しづらく、メンテナンス性の悪さが難点です。

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