【ボールバルブの構造】フルボアとレデューストボア

2021年9月13日 広告

ボールバルブとは

ボールバルブは弁体が球状(ボール状)になっているバルブです。

球体の中心には貫通穴が空いており、バルブハンドル操作によりボールを回して流路の開閉を切り替えます。

全開時の流路に弁体が残らないため圧力損失を限りなく抑えられます。

ボールバルブのイメージ

内部構造の違い

ボールバルブにはフルボアとレジューストボアの2種類が存在します。

呼び径

配管やバルブを選定する際、サイズは呼び径を合わせることで接続が可能になります。

呼び径とは例えば「20A」や「3/4」、「1 1/2」などです。

しかしバルブの呼び径とボールの口径(ボア径)は一致しない場合があります。

フルボアとレジューストボア

バルブの呼び径とボールの口径が合わないバルブをレジューストボアと呼びます。

以下にフルボアとレジューストボアの違いを示した断面図を載せています。

フルボアとレデューストボアのボア径イメージ

フルボアは呼び径とボア径がほぼ同じ、レジューストボアはボア径の方が小さくなります。

ボア径が1サイズ小さいレジューストボアはスタンダードボアと呼ばれます。

特徴ごとの違い

内部の構造変化によりその他の影響がどうなるかを解説します。

比較項目フルボアレジューストボア
ボア径減少なし(ほぼ呼び径)あり
圧力損失(流量減少)小さい大きい
バルブサイズ大きい小さい
重量重い軽い
価格高価安価
フルボアとレジューストボアの比較

圧力損失(流量減少量)

ボア径が小さいほど圧力損失が大きくなり流量の減少量が著しくなってしまいます。

そのためフルボアの方が圧力損失は小さくなります。

流量が大きい場合はフルボアを使うべきです。

バルブ自体の大きさ

レジューストボアはボア径が小さいためボール自体のサイズが小さくなります。

またそれに伴い重量も軽くなります。

バルブ自体のサイズを小さくしたい場合はレジューストボアを選択します。

価格

フルボアはボールサイズや本体サイズも大きいため高価になってしまいます。

安価に済ませたい場合はレジューストボアの方を選択します。

ただし圧力損失があるため運用コストはレジューストボアの方が若干高くなります。

オススメ書籍

・トコトンやさしいバルブの本

まずバルブを勉強するときにオススメの書籍です。
業種問わず、基本的なバルブに関する知識が得られます。

トコトンやさしいバルブの本
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・はじめての配管技術

配管の構成要素と基本的な設計について1歩踏み込んだ学習ができます。
バルブに関しては構造や種類、材料、圧力/温度特性について解説されています。

はじめての配管技術
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・プラントレイアウトと配管設計

各種バルブの使い方や長所・短所を学ぶことができます。
その他にも石油化学・ガス処理・発電などプラント種別に応じた配管設計が詳しく解説されています。
初学者の方は本書の前に上記2冊を読んでから手に取ることをオススメします。

プラントレイアウトと配管設計
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