配管

配管フランジの基礎と施工注意点

フランジは配管同士を接続する方法の一つで、ボルトナットにより固定します。

その他の接続方法である溶接やねじ込みと比べてメンテナンス性に優れています。

また追加工事の際に部分的に取り外したりできるメリットがあります。

この記事ではフランジの構造から規格、施工についてなど基本事項を幅広く解説します。

詳しい解説は目次から項目をクリックしてご確認ください。

フランジ接続の仕組み

円筒状の板同士の間にガスケットを挟み、ボルトナットで固定することで配管同士を接続します。

ねじ込み接続よりも高シール性・高強度であり、溶接接続よりも分解・組み立てが容易です。

フランジ接続イメージ

フランジの種類

規格

産業、技術分野には製造における基準となる様々な規格が存在します。

フランジに関してもJIS、JPI、ASME、ANSIといった規格に対応しています。

関係規格一覧

  • JIS:日本産業規格(Japanese Industrial Standards)
    • 日本で一番使用されている日本政府が定める国家規格
  • ASME:米国機械学会規格(The American Society of Mechanical Engineers)
    • アメリカを発祥とした世界的に採用されている規格
  • JPI:日本石油学会規格(The Japan Petroleum Institute)
    • 日本の石油業界でよく利用されるASMEを参考に制定された規格
  • ANSI:米国国家標準協会規格(American National Standards Institute)
    • 米国内の非営利団体における工業分野の規格
    • 石油化学工業系の内容はASMEと同様のため、”ANSI/ASME"と表記されることもある

問題はそれぞれの規格によってサイズや形状が微妙に違う点です。

つまり別の規格のフランジ同士を接続することはできません。

呼び圧力(レーティング)

フランジは流体の圧力や温度に対して十分な強度を有していなければなりません。

そのため圧力や温度から適切なフランジを選定できるように呼び圧力が規定されています。

呼び圧力はフランジの耐圧を表し、レーティングとも呼びます。

その中でも最高使用圧力と流体温度との関係を示したものを圧力-温度基準(P-Tレーティング)といいます。

JISフランジには5K、10K、10K 薄形、16K、20K、30Kが規定されており、更に参考値として2K、40K、63Kも規定されています。

例えば10Kフランジであれば1MPaまでの流体で使用します。

補足情報

圧力の単位であるKはkgf/cm2、つまり1cm2辺りにかかる重量を意味します。

kg/cm2と表記していることも多々あります。

1kg/cm2≒0.1MPaで換算できます。

一方ANSIフランジにはクラス150、300、400、600、900、1500、2500が規定されています。

更にJPIフランジはANSIフランジ規格に加えてクラス75と800が規定されています。

ちなみにANSIやJPIの数値はヤード・ポンド系の圧力単位であるpsi(1MPa = 145psi)を表しています。

配管との接続方式

配管とフランジは主に溶接により接続します。

ただ溶接と一口に言っても意外と種類があります。

溶接以外の方法も含めて配管との接続方法を以下にまとめました。

接続方式一覧

  • 突合せ溶接式フランジ(WN):フランジとパイプを突合せ溶接
  • 差込み溶接式フランジ(SO):フランジにパイプを差し込み配管外側と配管内側、合計2か所にそれぞれ隅肉溶接
  • ソケット溶接式フランジ(SW):胴付部が設けられたフランジにパイプを差し込み、配管外側を隅肉溶接
  • 一体フランジ(IT):鋳造などで製造されたパイプとの一体構造
  • 遊合形フランジ(LJ):パイプにフランジを通すのみでフランジ部分が自由に回る構造
  • ねじ込み式フランジ(TR):フランジ内径に雌ねじを施した構造
  • 閉止フランジ(BL):配管末端を塞ぐ穴が開いていないフランジ

各接続方式の参考図や詳細については以下の記事を参考にしてください。

ガスケット

ガスケットはフランジ座面の間に挟む薄い板状の部品です。

フランジの気密性を保つために使用されます。

そのため温度や圧力、流体の腐食性に合わせた材質を選択する必要があります。

材質にはゴム、ポリアミド繊維、膨張黒鉛、メタルなど幅広い種類があります。

ガスケットに関する種類や材質など詳細は以下に記載しています。

ガスケット座

フランジにおけるガスケットが接触する部分をガスケット座と呼びます。

使用温度や圧力、配管種別によって用途の異なる以下のガスケット座があります。

ガスケット座一覧

  • 平面座(RF:Raised Face):一般的に使用されるガスケット座面が少し盛り上がった形状
  • 全面座(FF:Flat Face):フランジ面がフラットな形状
  • はめ込み形(MF:Male-Female):ガスケットを挟み込む形状であり芯がずれにくい
  • 溝形(TG:Tongue and Groove):高い面圧でガスケットを挟み込むことができる
  • リングジョイント形(RJ:Ring Joint):ガスケット溝がありリング状ガスケットが入れられる
  • セレーション:面圧向上のためにフランジ面に細かい同心円溝加工を施す追加工

各ガスケット座の参考図や詳細については以下の記事を参考にしてください。

フランジとガスケット座の組み合わせ

各種フランジの接続方式に対して使用できるガスケット座はJIS B2220:2012に定められています。

ちなみに遊合形フランジ(LJ)にはガスケット座がありません。

フランジ配管施工

フランジ同士を固定するのにボルトやワッシャーが必要になるため部品点数は多くなってしまいます。

またフランジはボルトの締め付けが命です。

施工時の注意

  • 締め付け不足により芯ずれを起こさないようにする
  • 過剰な締め付けによる破損が起きないようにする
  • 片寄った締め込みが無いように対角線上にあるボルトを順に締めていく
  • 決められたトルクで締める

フランジは板厚が厚く配管重量としては重くなってしまいます。

そのため配管サポートを設ける際はフランジ付近を意識して設けることが望ましいです。

まとめ

今回はフランジに関しての基本事項を解説しました。

この記事を読まれている方は施工するよりは施工管理する方が多いかもしれません。

フランジの種類は間違っていないか、どのような作業を行っているかなど作業を理解するうえでも必須の知識となります。

またフランジで接続を行う配管継手については以下の記事を参考にしてください。

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