【図解】フランジのガスケット座の種類と違い|全面座・平面座とガスケットの対応表

2021年6月20日 広告

フランジのガスケットが当たる面をガスケット座(フランジ面)と呼びます。この記事では、全面座(FF)・平面座(RF)・はめ込み形(MF)・溝形(TG)・リングジョイント形(RJ)の形状の違い、JIS B 2220 で決まっている呼び圧力との組合せ、座ごとに合うガスケットの種類を一覧表にまとめました。

ガスケット座の種類 早見表

ガスケット座記号(JIS B 2220)形状合うガスケット主な用途
全面座FFフランジ面全体が平ら全面形シートガスケット(リング形も可)JIS 5K〜16K の低圧配管(水・空気など)
平面座RFガスケットが当たる部分だけ 1〜3mm 高いリング形シートガスケット、うず巻形(外輪付き)最も一般的。全面座が使えるのは JIS 16K までで、20K 以上は平面座・はめ込み形・溝形から選ぶ。JPI・ASME でも標準
はめ込み形MF(メール座 MF-M/フィメール座 MF-F)凸と凹の段差でガスケットを囲むリング形シートガスケット、うず巻形(基本形・内輪付き)JIS 10K〜63K。芯ずれを防ぎたい箇所
溝形TG(タング座 TG-T/グルーブ座 TG-G)凸の突起を相手の溝にはめ込むリング形シートガスケット、うず巻形(基本形)JIS 10K〜63K。高圧・真空など気密性が要る配管
リングジョイント形RJ(JIS B 2220 にはなく JPI・ASME の座)座面の溝に金属リングを入れるリングジョイントガスケット(金属)高温高圧の配管(JPI・ASME 規格のフランジ)

呼び圧力ごとの適用はJIS B 2220 の組合せ表、ガスケットの選び方は座に合うガスケットの種類にあります。

呼び圧力とガスケット座の組合せ(JIS B 2220)

JIS B 2220:2012 の表8を呼び圧力ごとにまとめた表です。5K〜16K で平面座と組み合わせられるのは突合せ溶接式(WN)と一体形(IT)だけで、板フランジ(SOP)とハブフランジ(SOH)は規格上は全面座です。ただし市販品には平面座に加工した SOP・BL も多く(JIS表示品の範囲外)、手配時は座を指定します。

呼び圧力全面座 FF平面座 RFはめ込み形 MF溝形 TG
5KWN・IT のみ
10KWN・IT のみ
10K 薄形
16KWN・IT のみ
20K〜63K

遊合形フランジ(LJ)にはガスケット座がなく、スタブエンドの面がガスケットに当たります。

全面座と平面座の違い

平面座(RF)は、ガスケットが当たる部分だけを 1〜3mm 高くした座です。 当たり面が狭いぶん同じボルト締付力でも面圧が上がり、シール性が高くなります。

平面座(RF)のフランジ断面イメージ
平面座(RF)のフランジ断面イメージ

全面座(FF)は、フランジ面全体が平らな座です。 面圧は平面座より低くなりますが、全面形ガスケットを使えばフランジに曲げがかかりにくく、加工が少ないぶん安価です。

全面座(FF)のフランジ断面イメージ
全面座(FF)のフランジ断面イメージ

全面座の板フランジ(SOP)と閉止フランジ(BL)は、5K の 400A 以上・10K の 250A 以上では曲げが大きくなるため、JIS B 2404 も全面形ガスケットを勧めています。平面座と全面座を突き合わせると全面座側は内側だけで当たって曲げがかかるので、同じ座でそろえるのが無難です。

大平面座と小平面座

カタログの「大平面座」「小平面座」はどちらも平面座(RF)で、座径が違います。JIS B 2220:2012 本文の平面座(表13。50A の座径は 5K で 85mm、10K〜20K で 96mm)がカタログの大平面座に当たり、附属書C(参考)の小平面座(50A で 90mm、100A で 145mm)は、フランジ厚さの参照先から 16K 以上向けと読めます。小平面座用のガスケット寸法は JIS B 2404 になく(メーカーとの協議)、リングガスケットの外径も変わるので、手配時は座の呼び方まで合わせます。

はめ込み形・溝形・リングジョイント形

3つとも、段差や溝でガスケットを囲って逃げにくくし、面圧を上げる座です。JIS B 2220 でははめ込み形と溝形が 10K 以上に規定され、5K と 10K 薄形にはありません。

はめ込み形(MF)は、凸のメール座(MF-M)と凹のフィメール座(MF-F)の組合せです。フランジ同士がはまり込むため芯がずれにくく、ガスケットの外周を段差で押さえられます。

はめ込み形(MF)のメール座とフィメール座
はめ込み形(MF)のメール座とフィメール座

溝形(TG)は、凸のタング座(TG-T)を凹のグルーブ座(TG-G)の溝にはめ込む座です。当たり幅が狭く面圧を大きく取れるため、気密性が要る高圧配管や真空配管に使われます。

溝形(TG)のタング座とグルーブ座
溝形(TG)のタング座とグルーブ座

リングジョイント形(RJ)は、座面の溝に金属リングを入れ、溝の斜面に押し付けてシールする高温高圧向けの座です。JIS B 2220 には規定がなく、JPI-7S-15 や ASME B16.5 のフランジで使います。

リングジョイント形(RJ)の溝とリングガスケット
リングジョイント形(RJ)の溝とリングガスケット

座に合うガスケットの種類

フランジ用ガスケットは、フランジの間に挟んで漏れを止めるシール材です。JIS B 2404(管フランジ用ガスケットの寸法)は、座ごとに使うガスケットの種類と形状を表3〜表5で示しています。適用できる呼び圧力は材質で変わるため、次の表は代表的な組合せです。

ガスケット座シートガスケット(ジョイントシート・ふっ素樹脂・膨張黒鉛など)ふっ素樹脂ジャケットうず巻形リングジョイント
全面座 FF全面形(リング形も可)5K〜16K○ 5K〜16K
平面座 RFリング形・全面形 5K〜30K(材質による)○ 5K〜20K外輪付き・内外輪付き 10K〜63K
はめ込み形 MFリング形 10K〜30K(材質による)基本形・内輪付き 10K〜63K
溝形 TGリング形 10K〜30K(材質による)基本形 10K〜63K
リングジョイント形 RJ○(金属リング。JIS B 2404 の対象外)

うず巻形は、全面座・平面座では外輪付き、はめ込み形・溝形では外輪なしを使います。内輪がないと締め過ぎや座面での滑りで内径側が変形(菊形変形)することがあるため、それが想定される場合は全面座・平面座で内外輪付き、はめ込み形で内輪付きを JIS B 2404 は勧めています。材料ごとの特徴はフランジに使われるガスケットの種類を参照してください。

座面の仕上げとセレーション

座面には旋削で付けた細かいうず巻状の溝(セレーション)があり、ガスケットを食い込ませて滑りを防ぎます。JIS B 2220 の粗さの目標は、全面座と平面座が Ra 3.2〜6.3µm、はめ込み形と溝形が Ra 3.2µm 以下です(表9)。セレーションのピッチは目標の粗さと刃先半径の組合せで決まり、表10の条件をまとめると 0.25〜0.60mm の範囲です。JPI-7S-15 の平面座もクラス150・300 は Ra 3.2〜6.3µm で、クラス400 以上は 3.2µm に絞られます。規格が違って困るのは仕上げより座径やボルト穴の寸法なので、JIS・JPI・ASME のフランジは規格を混ぜずに接続します。

関連記事

オススメ書籍

・トコトンやさしい配管の本

まず配管を勉強したいときに必ず読みたい書籍です。新人さんにオススメです。

・はじめての配管技術

配管の勉強をするために次に読んでおきたい書籍です。
配管継手に関しても一通りのものが解説されています。

・化学プラント配管設計の基本

上記書2冊で基礎を学んだあと、化学プラントで配管設計を行うなら必ず読んでおきたい書籍です。
化学工学も同時に学ぶことができ、内容が充実しています。

参考資料

  1. JIS B 2220:2012「鋼製管フランジ」(表3 ガスケット座の種類、表8 フランジとガスケット座との組合せ、表9・表10 座面の仕上げ、表13 ガスケット座の寸法、附属書C 小平面座)
  2. JIS B 2404:2018「管フランジ用ガスケットの寸法」(表1〜表5 ガスケットの種類とガスケット座との組合せ)
  3. 南堺フランヂ製作所「フランジの表面仕上げ程度」(JIS B 2220/JPI-7S-15)
  4. 南堺フランヂ製作所「JIS表示品の範囲」(大平面座・全面座の区分)

更新履歴 2026-09 早見表・JIS B 2220 の呼び圧力との組合せ表・大平面座と小平面座・座に合うガスケットの対応表を追加。セレーションの説明を JIS B 2220 の仕上げ規定に沿って訂正。

-配管