電線における電気抵抗の考え方



電気抵抗の特徴

電流の流れにくさを電気抵抗(もしくは抵抗)といい、単位はΩ(オーム)です。

電気抵抗にはいくつか特徴がありますが、電線において考慮すべき事項を取り上げます。

長いほど抵抗が増える

電気抵抗は電線の長さに比例します。

つまり電線の材質や太さが同じ場合、長さが2倍になると抵抗は2倍になります。

太い方が抵抗は減る

電気抵抗は電線の太さに反比例します。

つまり電線の材質や長さが同じ場合、断面積が2倍になると抵抗は1/2倍になります。

計算式

電気抵抗に関係する計算式を紹介します。

電線の抵抗

電線の抵抗は以下の式で表します。

電線の抵抗
$$R=\rho \frac{l}{S} $$R:電気抵抗[Ω]、ρ:電気抵抗率[Ω m]、l:電線長さ[m]、S:電線の断面積[m2

電気抵抗率ρは材料の電気の流れにくさを表しています。

電気抵抗率の逆数は導電率σで、単位には電気抵抗の逆数であるジーメンスSが使われS/mとなります。

電線の抵抗(導電率で計算)
$$R=\frac{l}{S\sigma} $$R:電気抵抗[Ω]、ρ:導電率[S/m]、l:電線長さ[m]、S:電線の断面積[m2

ちなみにIACS導電率という値を導くのに基準として使われる国際標準軟銅の電気抵抗率は 1.7241 x 10-8 Ωmです。

電線で使われる金属は銅が大半ですので、この値を使っても支障はありません。

流れる電流(オームの法則)

オームの法則は回路に流れる電流が加えた電圧に比例し、抵抗に反比例することを表したものです。

電線の長さや太さから抵抗を求め、利用する回路の電圧から流れる電流を求められます。

オームの法則
$$I=\frac{V}{R} $$I:電流[A]、V:電圧[V]、R:電気抵抗[Ω]

ジュールの法則

電気抵抗を持つ物質に電流を流すことで熱を生じます。

この時発生する熱はジュール熱と呼びます。

ジュール熱量はジュールの法則から求められます。

ジュールの法則
$$H=VIt $$H:発生する熱量[J]、V:電圧[V]、I:電流[A]、t:電流の流れた時間[s]

ジュールの法則とオームの法則を組み合わせることで抵抗を用いた式に変換できます。

ジュールの法則(変換)
$$H=I^{2}Rt $$H:発生する熱量[J]、I:電流[A]、R:電気抵抗[Ω]、t:電流の流れた時間[s]

送電時に発生した熱は基本的に利用できず、エネルギー損失に繋がります。

また電線に許容電流以上の電流が流れることで電線温度が高くなり焼損する恐れがあります。

電線の太さや長さを設計する際はエネルギー効率や焼損、電線自体のコストを考慮して最適となる設計をしなければなりません。

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