絶対圧力とゲージ圧力の違い
圧力計やレベル計の圧力表記には絶対圧力とゲージ圧力の2種類があります。
絶対圧力
絶対圧力は実際にどれくらいの圧力がかかっているかを示しています。
完全に真空となった状態(絶対真空)がゼロ基準です。
1MPa Absのように圧力単位の末尾に絶対を意味するAbusoluteのAbsを付けることで区別することができます。
ゲージ圧力
ゲージ圧力は周辺圧力に対する相対的な圧力を示します。
一般的には大気圧(1気圧)がゼロ基準です。
1MPa Gのように圧力単位の末尾に標準を意味するGaugeのGを付けることで区別することができます。
特徴として、減圧の場合にマイナス表記となるため減圧加圧が一目で分かります。
絶対圧力とゲージ圧力のイメージ
絶対圧力とゲージ圧力は以下のようなイメージで表すことができます。
換算方法
一般にゲージ圧力は大気圧を基準とするため、絶対圧力に大気圧を足せばゲージ圧力に換算できます。
(ゲージ圧力)+(大気圧)=(絶対圧力)
(例)ゲージ圧力0.1 MPa+大気圧0.101 MPa=絶対圧力0.201 MPa
差圧
絶対圧力やゲージ圧力のように直接圧力を表示する方法もあれば差圧として表示する方法もあります。
差圧とはある2点の圧力差を表します。
例えばタンクのレベル計で使用されます。
タンク内で液が浸かっている部分と浸かっていない部分の圧力差を測定することで液面高さに応じた圧力(差圧)を測定できます。
差圧を測定する場合、双方の圧力計が絶対圧力・ゲージ圧力どちらを使用しているのか確認しなければなりません。
シールドゲージ圧力
絶対圧力とゲージ圧力の他に、シールドゲージ圧力という表現方法があります。
これも大気圧を基準としたゲージ圧力の1種です。
一般的に使用されるゲージ圧力との違いは基準となる大気圧の収集方法です。
ゲージ圧力はその場の大気圧が基準、シールドゲージ圧力は容器に封入した大気圧が基準となります。
そのため圧力計の構造が異なります。
シールドゲージ圧力で測定する場合は圧力計を外部媒体から密閉することができます。
ただし周辺の気圧変化の影響を受けるため高圧領域で多く使用されます。
参考に、横河電機の圧力計では5MPa以上でシールドゲージ圧力を採用しているようです。
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