薄膜形成技術の1つのCVD(ChemicalVaporDeposition)法に関する次のA~Eの記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。
- CVD法とは、気相にある原料から、化学反応を伴って、分子、原子、イオン、ラジカルなどの化学種を基板に堆積させる成膜法の総称である。
- CVD法は、化学反応を励起するためのエネルギー源によって、熱CVD、プラズマCVD、エピタキシャルCVD等と呼ばれる。
- 薄膜成長の際に基板付近だけを加熱する方式のCVDはホットウォールCVDと呼ばれる。
- CVD法では、ガス原料を用いることから、高純度な成膜が可能である。
- CVD法では、マスフローコントローラを用いることで組成制御性がよい成膜が可能である。
選択肢
- A、B
- A、E
- B、C
- C、D
- D、E
解答解説
正答は3番です。
蒸着は、物質を高温にして蒸発させ、処理物に吸着させその表面上に物質の固体被膜を形成する方法です。蒸着には物理的反応を利用した物理蒸着(PVD)と、化学的反応を利用した化学蒸着(CVD)の二種類があります。
CVD法は、気相の原料から化学反応を通じて基板上に薄膜を形成する成膜技術です。この方法は、半導体製造や工具のコーティングなどで利用されています。
Bのエピタキシャルは特定の CVD プロセスではなく、特定の結晶構造を持つ基板上に同じまたは類似の結晶構造を持つ材料を成長させる技術です。
CのホットウォールCVDは反応炉全体を加熱する方式です。対して基板自体だけを加熱する方式はコールドウォールCVDです。
参考資料
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CVDとは
www.oike-kogyo.co.jp
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エピタキシャル成長の原理:Siのエピ成長
semi-journal.jp