40℃の硫酸銅飽和水溶液100.0gを0℃まで冷却し放置したところ、CuSO4・5H2Oの結晶が析出した。析出したCuSO4・5H2Oの結晶量として、最も近い値はどれか。
なお、無水硫酸銅の溶解度は40℃で29.0g、0℃で14.8gとする。ここでの溶解度とは100gの水に溶解する溶質の最大質量[g]とする。
ただし、各原子量は、H=1、O=16、Cu=64、S=32とする。
- 23 g
- 19 g
- 13 g
- 10 g
- 8 g
解答解説
正答は2番です。
この問題の特徴は、硫酸銅が析出するときに水和物として溶媒も一緒に析出することです。通常の溶質だけ析出する場合と異なり、溶媒の量も減少しながら析出します。
CuSO4の分子量は160、CuSO4・5H2Oは250、水は18です。
まず溶液(溶媒+溶質)の量を求めます。析出した硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O)をx[g]とします。20℃において、析出により溶液の量は100-xに減少します。
次に溶質の量を求めます。40℃では100 gの水に29 gの硫酸銅が溶解するため、129 gの溶液に29 gの溶質が溶けていることを意味します。つまり100 gの溶液では100/129×29=22.48 gの溶質が溶けています。析出した硫酸銅五水和物のうち硫酸銅の割合は分子量から160/250です。20℃において、析出により溶質の量は22.48-x(160/250)に減少します。
0℃における溶解度は14.8 gであるため、溶質と溶液の比を用いると14.8/114.8={22.48-x(160/250)}/(100-x)の等式が成り立ちます。これを計算すると析出した硫酸銅五水和物の量xは18.76 gです。つまり最も近い値は19 gです。