平成29年度 問9

石油の物性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. ノルマルブタンの沸点は、イソプタンの沸点より高い。
  2. パラフィン、オレフィン、単環ナフテンでは、炭素数が多いほど密度は大きくなる。
  3. 純炭化水素の融点は、炭素数が多いほど高くなる。
  4. 動粘度は、絶対粘度を密度で割ったものである。
  5. ベンゼンの総発熱量(重量当たり)は、ノルマルヘキサンのそれより大きい。

解答解説

正答は5番です。

総発熱量は、密度が大きいほど発熱量は小さくなります。ベンゼンの安定した環状構造は、燃焼時により多くのエネルギーを必要とするため、結果としてノルマルヘキサンよりも総発熱量が低くなります。5番の総発熱量は、密度が大きいほど発熱量は小さくなります。

4番の動粘度は絶対粘度と密度の商です。粘度が同じでも密度(重さ)が異なると流れやすさは異なるため、密度で割ることで比較できるようにしています。

1番の沸点は分子同士の近づきやすさに起因します。分岐構造がある分子同士は近づきにくく、ファンデルワールス力が小さくなるため直鎖アルカンよりも沸点は小さくなります。

参考資料

第1編第1章第1節 石油の組成と性質|石油便覧-ENEOS
石油の組成と性質

www.eneos.co.jp

2024年3月10日 広告

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