平成25年度 問13

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石炭に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 植物の堆積層内の植物質は、脱水、脱炭酸、脱メタン、脱水素を伴う化学変化により芳香環が発達していく。その結果、褐炭、亚炎、亜瀝青炎、瀝青炭、無煙炭の順に変化する。
  2. 一般炭は、主に発電所やセメント製造などで燃料として燃やされる石炭で、亜瀝青炭や炭素含有量が低い瀝青炭が該当する。原料炭は、コークス製造の原料に使用される石炭で、瀝青炭の中で粘結性が低い石炭である。
  3. 石炭から直接エネルギーを取り出す場合に最もよく用いられる方法は、燃焼により発生した熱を利用する方法である。代表的な方法は、石炭を微粉炭に粉砕して燃焼させる微粉炭燃焼方式である。
  4. 石炭の持つ特徴は、石油・天然ガスに比べ地域的な偏りが少なく、世界に広く存在していることである。可採年数(可採埋蔵量/年産量)が石油等のエネルギーより長いのも特徴である。
  5. 石炭は、白国消費が多いため、国際商品であるが貿易量は少ない。輸出余力がある国は、オーストラリア、インドネシア、ロシアなどである。



解答解説

正答は2番です。

粘結性とは、石炭が加熱されたときに軟化・溶融し、再び固化して強固なコークスを形成する性質のことを指します。この特性により、高炉内で鉄鉱石を還元するために必要な強度と反応性を持つコークスが生産されます。原料炭は瀝青炭の中で粘結性が高い石炭です。

石炭は、炭素の濃集度合(石炭化度)と用途により分類されています。石炭化度が高い、つまり高品質な順に無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炎、褐炭と分類されます。

参考資料

https://coal.jogmec.go.jp/content/300380902.pdf
石炭の分類について

coal.jogmec.go.jp

https://coal.jogmec.go.jp/content/300387438.pdf
石炭生産国・消費国の現況

coal.jogmec.go.jp

2024年3月10日