平成23年度 問1

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核磁気共鳴(NMR)スペクトルに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 一般的なNMRスペクトル測定の内部標準としてテトラメチルシランがよく用いられる。
  2. フッ素19(19F)やリン31(31P)の原子核は核スピンを持たないが、奇数個の陽子を持つ核なので、NMRスペクトル装置で検出できる。
  3. NMRスペクトルの化学シフト値は「観測されたシグナルと標準物質のシグナルとの振動数差(Hz)」を「分光器の振動数(MHz)」で割った値で、単位はppmである。
  4. 1H-NMRスペクトルでは、フェニル基プロトンのシグナルはメチル基プロトンのシグナルより低磁場側に出現する。
  5. 1H-NMRスペクトルでは、ブロモエタンのメチル基プロトンのシグナルは三重線、メチレン基プロトンは四重線として観測される。



解答解説

正答は2番です。

「核スピンを持たない」という部分が誤りです。
フッ素19(19F)やリン31(31P)の原子核は、核スピンを持ち、NMRスペクトルで検出可能です。

核スピンの有無は、スピン量子数で判断できます。
質量数と原子番号(陽子数)が偶数の場合にスピン量子数が0となり、核スピンを持ちません。

2024年3月8日