協働ロボットが変える未来!20kg以上の可搬重量特集

2023年11月30日 広告

ここ数年で協働ロボットの高可搬重量ラインナップが増えています。

今回は可搬重量が20kgを超えるような協働ロボットをまとめてみました。

特徴比較ファナック安川電機テックマンユニバーサルロボットAUBOElite RobotsDoosan RoboticsERACobot
型番CR35iBHC30PLTM30SUR30AUBO-iS35CS625H2515ERA-M30
可搬重量35kg
(最大50kg)
30kg35kg30kg35kg25kg25kg30kg
動作半径1,831mm(35kgモード)
1,643mm(50kgモード)
1,600mm
1,700mm(27kg以下)
1,702mm1,300mm2,100mm1,500mm1,500mm1,403mm
本体重量386kg140kg80.6kg63.5kg150kg60kg72~74kg85kg
各社の最大可搬重量ロボット比較

高可搬重量の協働ロボット

各社のロボットを紹介します。

ファナック(CR-35iB)

ファナックのCR-35iBは可搬重量35kgです。

更にソフトウェア上で可動範囲を多少狭めることで可搬質量を35kgから50kgへアップできます。

50kgだけでなく35kgという可搬重量はどの会社も発表しておらず、調べた限りファナックのみにラインナップにあります。

ただし本体重量は386kgと非常に重く、機器の取り扱いに多少注意が要ります。

特にファナックは高可搬重量の発表が早く、他社よりも先を進んでいる印象です。

安川電機(HC30PL)

安川電機のHC30PLは可搬質量30kgです。

ファナックの次に高可搬重量の製品を発表することが多い印象です。

動作半径や可搬重量が段ボールのパレタイジング用途を想定して最適化された仕様になっています。

テックマン(TM35S)

テックマンのTM30Sは可搬重量35kgです。

カメラが標準装備されており、1つのソフト上でビジョンシステムも容易に設定できるようになりました。

通常はロボットと別会社のカメラを連携して使いますが、テックマンは技術的な障壁が低く、初心者でも扱いやすい製品です。

本体重量は並程度でありながらも可搬重量に対する動作半径が広いのが特徴的です。

25kg可搬・可動範囲1,902mmと35kg可搬・動作半径1,702mmの2種類で選べます。

ユニバーサルロボット(UR30)

ユニバーサルロボットのUR30は可搬重量30kgです。

他社製品よりも軽量でコンパクトでありながらも高可搬重量を達成しています。

特にユニバーサルロボットには"ステディモード"という作業に伴う高トルクがかかっても保護機能で停止しないモードが選択できます。

そのため高トルクのねじ締めなどに適しています。

AUBO(AUBO-iS35)

AUBOは2024年秋ごろに35kg可搬のロボットの販売が予定されています。

他に比べて動作範囲が非常に広く、IP67と運転環境に左右されない特徴があります。

現在は20kg可搬まで販売中です。

Elite Robots(SC625)

Elite Robots(エリートロボット)のCS625は可搬重量25kgです。

最大TCP速度が3.3 m/sと非常に速いです。

中国企業でありながらも名古屋に日本法人もあり導入しやすい環境が整っています。

ホームページも日本向けに作られています。

One moment, please...
One moment, please...

www.eliterobots.co.jp

Doosan Robotics(H2515)

Doosan Robotics(ドゥーサンロボティクス)のH2515は可搬重量25kgです。

またこれまでは可搬重量に対して本体が軽いことが特徴でした。

ただユニバーサルロボットやElite Robotsが高可搬化してきたことにより本体重量の売りも弱くなっています。

25kg可搬・可動範囲1,500mmと20kg可搬・可動範囲1,700mmの2種類で選べます。

ERACobot(ERA-M30)

ERACobotのERA-M30は可搬重量30kgです。

同様の他社製ロボットと大きな違いは無いものの、驚きはオンラインで購入できることです。

定価$14,500.00でPayPalを使って購入できます。

https://eracobot.com/product/30kg-cobot-palletizer/
https://eracobot.com/product/30kg-cobot-palletizer/

eracobot.com

協働化した事例

ロボットを純粋に高可搬重量化するだけではありません。

KUKA社のロボットにBlue Danube Robotics社のAIRSKINという防護用のカバーを取り付けることで協働化しています。

これにより最大可搬重量300kg、動作半径3,100mmを実現しています。

導入する際の注意点

協働ロボットですので安全柵は不要です。

とはいえ搬送物の重量が大きくなるため注意しなければなりません。

安全性の確保

前提として、協働ロボットが保証しているのはロボット本体の安全性です。

トータルの安全性はロボットシステムインテグレータと相談しながらユーザーの責任で判断しなければなりません。

極端な例では、ロボットに刃物を持たせると、いくら衝撃で止まると言っても安全ではありません。

今回対象となる重量物の搬送においては、例えばロボットに人がぶつかって止まったとしても、ロボットが重量物を足元に落とす可能性もあります。

人間とロボットの協働エリアの安全対策を十分組み込んだ状態で導入しなければなりません。

”最大”可搬重量である

ハンドの形状によってはワークの位置がロボットのツールフランジ(ハンドとロボットの接続位置)から離れる場合があります。

そのような距離がある場合、可搬重量は減少します。

例えばユニバーサルロボットのUR30はサイトに可搬重量性能が載っています。

ワークの重心位置がツールフランジから100mm離れていても30kgの可搬重量です。

そこから更に離れると400mmで15kg、800mmで10kgの可搬重量へ減少していきます。

経済性

高可搬重量になると、会社の方針によっては安全柵を設けるように言われたり、大量のレーザースキャナーを設けたりする可能性があります。

そもそも協働ロボットは通常の柵を要する産業用ロボットに比べて2~3倍の値段がすることもあります。

協働ロボットのメリットを受けづらい場合は、コスト対効果を考えて通常の産業用ロボットの選択をするのもアリです。

まとめ

改めて各ロボットの比較表を載せておきます。

可搬重量や防爆品など、いつも公開が他社より早いのはファナックです。

協働ロボットとして有名な安川電機やユニバーサルロボット、テックマンなども30kgを超えるラインナップが販売されており、既に用途に応じた使い分けができるようになっています。

特徴比較ファナック安川電機テックマンユニバーサルロボットAUBOElite RobotsDoosan RoboticsERACobot
型番CR35iBHC30PLTM30SUR30AUBO-iS35CS625H2515ERA-M30
可搬重量35kg
(最大50kg)
30kg35kg30kg35kg25kg25kg30kg
動作半径1,831mm(35kgモード)
1,643mm(50kgモード)
1,600mm
1,700mm(27kg以下)
1,702mm1,300mm2,100mm1,500mm1,500mm1,403mm
本体重量386kg140kg80.6kg63.5kg150kg60kg72~74kg85kg
各社の最大可搬重量ロボット比較

オススメ書籍

・トコトンやさしいロボットの本

ロボットを構成する要素や技術、また活用場所について解説されています。
まずロボットを理解するためにオススメしたい書籍です。

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいロボットの本 第2版
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・産業用ロボット The ビギニング

産業用ロボットに焦点を当てて、種類や構成要素について詳細な解説がされています。
重要となる法令と規則についても勉強になります。

産業用ロボット The ビギニング
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・産業用ロボット全史

産業用ロボットを扱うにあたり、予備知識として発展の歴史が学べます。
技術的に何が求められ、技術的に発展し、現在に至るのか非常に参考になります。

産業用ロボット全史 自動化の発展から見る要素技術と生産システムの変遷
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