令和3年度 問22

セラミックスセンサーとその原理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. ガスセンサー:酸化スズ焼結体などの半導体セラミックスでは、高温で可燃性ガスが存在すると焼結体表面の吸着酸素量が変化し、粒界付近の抵抗が変化する。
  2. 電子体温計:微量の不純物を添加して半導体化したチタン酸バリウムなどの温度により抵抗値が変化する抵抗体(サーミスタ)を用いる。
  3. 酸素センサー:安定化ジルコニア等の固体酸化物イオン導電体を隔壁として両側に電極を形成し、高温下で、一方の電極を既知の酸素分圧のガスとし。他の電極部を酸素分圧未知のガスと接触させると起電力が発生する。
  4. 非接触温度センサー:タンタル酸リチウムなどの焦電体の表面に物体から放射される赤外線が照射されると電位が発生する。
  5. 障害物センサー板状に切りだしたニオブ酸リチウムなどに電極を形成し、超音波を照射すると交流電圧が発生する逆圧電効果が観察される。パルス電界の印加により発生した超音波を障害物に照射し、エコーを検知する。

解答解説

正答は5番です。

ニオブ酸リチウム(LiNbO3)は圧電性を持つ結晶であり、圧電素子や表面弾性波素子などに使用されます。「超音波を照射すると交流電圧が発生する逆圧電効果が観察される」という部分は、圧力から電圧に変換する圧電効果に関しての内容です。逆圧電効果ではありません。

1番の半導体式ガスセンサーは、酸化スズ(SnO2)などの金属酸化物半導体を材料として使用します

2番のチタン酸バリウム(BaTiO3)は、主に電気的特性を活かした用途で使用されています。主な応用分野は、コンデンサーや圧電素子、サーミスタなどの電子部品です。

3番の安定化ジルコニアは高温での優れた酸素イオン伝導性を持ち、酸素センサーに広く使用されています。

4番の焦電効果とは、温度変化によって物質の分極が変化し、電荷が発生する現象です。焦電性を利用したセンサーはパイロセンサーと呼ばれます。

参考資料

圧電(ピエゾ)素子とは?圧力をかけるとどうなるの?|ピエゾドライバなら松定プレシジョン
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2024年3月11日 広告

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