平成29年度 問6

カルボン酸誘導体の反応に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. カルボン酸は水素化アルミニウムリチウムにより還元されて、第一級アルコールを与える。
  2. エステルは水素化アルミニウムリチウムにより還元されて、第一級アルコールを与える。
  3. 酸塩化物は水と反応して、エステルを与える。
  4. エステルは、塩基水溶液または酸水溶液のどちらかにより加水分解されて、カルボン酸とアルコールを与える。
  5. アミドは、酸水溶液または塩基水溶液で加熱することにより、カルボン酸とアミンに加水分解される。

解答解説

正答は3番です。

酸塩化物(R-COCl)は反応性が高く、アルコールと反応してエステルを生成します。ただし水と反応するときは塩化水素とともにカルボン酸が生成します。水との反応は酸塩化物の失活を意味します。

1番と2番に記載されている水素化アルミニウムリチウムは強力な還元剤です。アルデヒド、エステル、カルボン酸、ケトン、アミドと様々なカルボニル化合物をアルコールに還元します。

参考資料

https://www1.meijo-u.ac.jp/~tnagata/education/ochem2/2021/ochem2_02.pdf
カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応

www1.meijo-u.ac.jp

水素化アルミニウムリチウムはカルボン酸も還元できる強力な還元剤 - とらおの有機化学
水素化アルミニウムリチウムはカルボン酸も還元できる強力な還元剤

www.tora-organic.com

2024年3月10日 広告

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