平成26年度 問31

内層に厚み150 mm、熱伝導度1.5 W/m・Kの断熱材を用い、外層に厚み200 mm、熱伝導度0.2 W/m・Kの保温材を用いた炉がある。炉内面温度が800℃、外面温度が140℃のとき、断熱材と保湿材の境界面における温度として、最も適切な値はどれか。
伝熱量(伝熱速度)は\( Q=-kA\frac{dT}{dx}\)で表される。なお、Q:伝熱量[W]、k:熱伝導度[W/m・K]、A:伝熱面積[m2]、T:温度[K]、x:位置(厚さ)[m]である。

  1. 700℃
  2. 720℃
  3. 740℃
  4. 760℃
  5. 780℃

解答解説

正答は3番です。

この問題における伝熱量(伝熱速度)\( Q=-kA\frac{dT}{dx}\)をまず理解します。(dT/dx)は温度の変化量dTと距離の変化量dxの比であることを表します。つまり今回は温度減少量と伝熱距離の比に相当します。

  • 断熱材1のQ伝熱量Q1:-1.5A×(800-T)/ 0.15
  • 断熱材1の伝熱量Q2:-0.2A×(T-140)/ 0.20

伝熱量Qの単位Wは変形してJ/sとも記載できます。つまり熱流束は、単位時間当たりに伝わる熱量を意味します。そのため断熱材1と2のように密着して連続的に伝熱する状態では断面積Aも等しく、各断熱材における熱流束(Wm-2)が同じとなります。つまりQ1=Q2とおいて方程式が解けます。方程式を解くとT=740℃と求まります。

2024年3月10日 広告

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