アセチレン(エチン)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 炭素同士は、sp混成軌道で結合している。
- アセチレンの炭素炭素結合距離は、エタンのそれより短い。
- アセチレンの炭素炭素三重結合の結合力は、エタンの炭素炭素単結合の結合力より強い。
- アセチレンの水素は、エチレン(エテン)のそれより酸性であるため、pKa値はより大きな値を示す。
- 炭素炭素三重結合は、2つのπ結合と1つのσ結合からなっている。
解答解説
正答は4番です。
アセチレンの共役塩基は孤立電子対が原子核に近いため、エチレンよりも酸性が高くなりますが問題ではpKa値の解釈が誤っています。pKa値は酸性度を示す指標で、値が小さいほど酸性が強くなります。
アセチレンの炭素原子はsp混成軌道を持ちます。これにより、180°の結合角を形成し、直線構造を取ります。
また炭素-炭素三重結合は、1つのσ結合と2つのπ結合から構成されています。π結合が寄与することによりエタンの単結合よりも強い結合力を持ち、結合距離はエタンよりも短くなります。
参考資料
-
有機化学Ⅰ 講義資料 第 2 回「アルケン・アルキンのその他の反応・多段階合成」
www1.meijo-u.ac.jp