石油製品の多くは、脱硫工程を経て製品化される。脱硫に関する次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
水素化脱硫法は、石油留分を高温、高圧、脱硫触媒存在下で【 A 】と反応させるもので、ガソリン留分から常圧残油までの各石油留分で行われる。
水素化脱硫法により、硫黄化合物は炭化水素と【 B 】に分解される。硫黄化合物には、メルカプタン(チオール)RSH、サルファイドRSnR'、チオフェン(環状ポリメチレン硫化物)などがあり、硫黄分を除去【 C 】ものから順に並べるとメルカプタン、サルファイド、チオフェンである。また高沸点になるほど脱硫されにくい化合物が【 D 】。
常圧残油の脱硫は、大きく分けて直接脱硫と間接脱硫がある。直接脱硫とは、残油中の硫黄分を直接脱硫する方法である。一方、間接脱硫とは減圧蒸留により、常圧残油から減圧軽油を分留し、減圧軽油だけを水素化脱硫した後、減圧残油と混合する方法である。直接脱硫に比べ、温度や圧力などの反応条件が【 E 】。
選択肢 | A | B | C | D | E |
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1 | 水素 | 硫化水素 | しやすい | 多くなる | 穏やかである |
2 | 過酸化水素 | 二酸化硫素 | しやすい | 少なくなる | 厳しい |
3 | 水素 | 硫化水素 | しにくい | 少なくなる | 厳しい |
4 | 過酸化水素 | 二酸化硫素 | しやすい | 少なくなる | 穏やかである |
5 | 水素 | 硫化水素 | しにくい | 多くなる | 穏やかである |
解答解説
正答は1番です。
水素化脱硫法は、石油留分を高温、高圧、脱硫触媒存在下で水素と反応させる方法です(A)。水素化脱硫反応により、硫黄化合物は炭化水素と硫化水素に分解されます(B)。
硫黄分を除去しやすいものから順に並べると、メルカプタン、サルファイド、チオフェンとなります(C)。
高沸点になるほど脱硫されにくい化合物が増えます(D)。これは、高沸点の留分ほど複雑な構造の硫黄化合物を含むためです。
間接脱硫は、減圧蒸留により前処理が行われていることから直接脱硫に比べて温度や圧力などの反応条件が緩和されます(E)。
参考資料
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間接脱硫
oilgas-info.jogmec.go.jp
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チオフェン型化合物の脱硫と生成物の付加反応(骨格構造と反応性の関係)
www.jstage.jst.go.jp