炭素同素体に関する次のA~Eの記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。
- グラファイトを構成する炭素原子の六員環は金属結合によって結合されている。
- グラファイトの層状構造において面内方向は金属に近い電気伝導性を示す。
- ダイヤモンドは炭素の高圧安定相で、電気伝導性は低く、熱を伝えにくい。
- カーボンナノチューブは炭素六員環が単層あるいは多層の同軸管状につらなった筒状物質で、高い強度を有する。
- C60はフラーレンと呼ばれ、炭素の五員12個と、六員環20個からなる。
選択肢
- A、C
- A、D
- B、D
- B、E
- C、E
解答解説
正答は1番です。
同素体は、同一元素でありながらも結晶構造や結合様式が異なるために違う性質を持つものを表します。基本的に炭素原子同士は共有結合で結合されています(A)。
代表的な炭素同素体を挙げます。
- 黒鉛(グラファイト):層状構造で層状構造で面内方向は金属に近い電気伝導性を示す
- ダイヤモンド:結晶構造で熱伝導性に優れる
- フラーレン:C60の球状構造が代表的、医薬や電子材料に用いられる、炭素の五員環12個と、六員環20個からなる
- カーボンナノチューブ:チューブ状で高い強度と軽量性、導電性に優れるためLiBの導電助剤に活用
ダイヤモンドは銀や銅を超える非常に高い熱伝導率を持つことで有名です(C)。コストの面から採用はされていません。
参考資料
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材質別に熱伝導率を比較すると見えてくる銅の「コスパ」
www.hata-cu.com
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カーボンナノチューブとは?
www.aist.go.jp