令和3年度 問7

立体化学に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 天然のアミノ酸システインはキラル中心がS配置を持っている。
  2. 天然産の抗生物質マイコマイシンは比旋光度[α]D=-130を持つので不斉炭素を待つ。
  3. 分子が対称面を持てばキラルではない。
  4. 比旋光度の符号が(+)をとると立体配置はR、(-)の場合はSとなる。
  5. 天然のアミノ酸プロリンはキラル中心がR配置を持っている。

解答解説

正答は3番です。

分子が対称面を持つ場合、その分子はアキラル(キラルではない)となります。

天然のアミノ酸はほとんどがL体です。偏光面を左に回転させるものをL体、右に回転させるものをD体と呼びます。また水素を紙面の後ろとした場合、NH2→COOH→Rの順で左回りに並んでいるのがL体、右回りがD体です。

1番の天然のアミノ酸であるL-システインはR配置です。

2番のマイコマイシンは、比旋光度が不斉炭素の存在を示唆するという点では正しいですが、あくまでキラルであるだけです。不斉炭素を持たなくてもキラルな化合物は存在します。マイコマイシンは軸不斉の化合物です。

4番の立体配置R/Sの配置と旋光度の符号(+/-)には直接的な関連はありません。

5番の天然アミノ酸であるL-プロリンはS配置を持ちます。

参考資料

アミノ酸の種類と構造の一覧 | ネットdeカガク
アミノ酸の種類と構造の一覧

netdekagaku.com

「光学異性体(L体・D体)」 | Dアミノ酸ラボ株式会社
光学異性体(L体・D体)

d-aminoacidlabo.com

2024年3月11日 広告

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