立体化学に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 天然のアミノ酸システインはキラル中心がS配置を持っている。
- 天然産の抗生物質マイコマイシンは比旋光度[α]D=-130を持つので不斉炭素を待つ。
- 分子が対称面を持てばキラルではない。
- 比旋光度の符号が(+)をとると立体配置はR、(-)の場合はSとなる。
- 天然のアミノ酸プロリンはキラル中心がR配置を持っている。
解答解説
正答は3番です。
分子が対称面を持つ場合、その分子はアキラル(キラルではない)となります。
天然のアミノ酸はほとんどがL体です。偏光面を左に回転させるものをL体、右に回転させるものをD体と呼びます。また水素を紙面の後ろとした場合、NH2→COOH→Rの順で左回りに並んでいるのがL体、右回りがD体です。
1番の天然のアミノ酸であるL-システインはR配置です。
2番のマイコマイシンは、比旋光度が不斉炭素の存在を示唆するという点では正しいですが、あくまでキラルであるだけです。不斉炭素を持たなくてもキラルな化合物は存在します。マイコマイシンは軸不斉の化合物です。
4番の立体配置R/Sの配置と旋光度の符号(+/-)には直接的な関連はありません。
5番の天然アミノ酸であるL-プロリンはS配置を持ちます。
参考資料
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アミノ酸の種類と構造の一覧
netdekagaku.com
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光学異性体(L体・D体)
d-aminoacidlabo.com