下図は酢酸メチル(A)の加水分解反応の反応速度(-rA)の逆数(1/(-rA))を反応成分Aの反応率xAに対して示したものである。この反応は反応率xA, max=0.45で反応速度の最大値を持つ。(図の縦軸の(1/(-rA))では最小值。)連続槽型反応器(CSTR)と管型反応器(PFR)又はそれらの組合せの連続反応器で、この反応を入口反応率xA=0から出口反応率xA, out=0.8まで行いたい。全体の反応器容積が最小となるのは1~5のどれか。
- 単独のCSTRでxA, outまで反応させる。
- 単独のPFRでxA, outまで反応させる。
- PFRとCSTRを連続させて、xA, maxまでPFRで反応させ、その後CSTRで反応させる。
- CSTRとPFRを連続させて、xA, maxまでCSTRで反応させ、その後PFRで反応させる。
- 2つのCSTRを連続させて、xA, maxまで最初のCSTRで反応させて、その後次のCSTRで反応させる。
解答解説
正答は4番です。
CSTRは撹拌により槽内濃度が一定となります。濃度が均一となり反応速度が最大の条件で常に運転できることから、反応に伴い速度が増加する条件(xA, max以前の部分)ではCSTRが適しています。
一般にPFRの方が反応は効率的で、反応に伴い速度が低下する条件(xA, max以降の部分)ではPFRが適しています。