シクロペンタノンとピロリジンを反応させるとエナミン(enamine)が生成し、これに、α, β-不飽和カルボニル化合物を反応させるとMichael型の付加が起き共役付加生成物が生じる。この反応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- エナミン分子中の求核性炭素原子はピロリジンのN原子と結合しているsp2混成炭素原子である。
- エナミンに、β-不飽和カルボニル化合物としてアクリル酸エチル(CH2=CH-CO2CH2CH3)を反応させ、その後加水分解すると化合物Aが得られる。
- エナミンは電子的にエノラートイオンに似ている。窒素の非共有電子対の軌道が二重結合のp軌道と重なることによってN原子から2つ離れた不飽和炭素原子上の電子密度が減少して、この炭素の求核性を強めている。
- 上記反応で生成したエナミンにアクロレイン(CH2=CH-CHO)を作用させても反応は進行しない。
- エナミンは中性であり、合成が容易で、取り扱いも簡単である。
解答解説
正答は5番です。