令和3年度 問29

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3成分(A、B、C)の液液平衡関係を表すのに、下図のような二等辺直角三角図を用いた。図中、頂点A、B、Cは各純成分を表し、辺AB、BC上の目盛は質量分率である。次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 点Mで表される液において、成分Cの質量分率は0.3である。
  2. 点Fで表される液に成分Cを加えていったときの液の組成は、常に線分CF上にある。
  3. 組成が線分CF上にあるとき、成分AとBの質量比は常に等しい。
  4. 点Fで表される液は、成分AとBの2成分から成っている。
  5. 点Mで示される液を静置したとき、点Eと点Rで表される2液層に分かれたとすると、(Eの質量):(Rの質量)=1:2となる。



解答解説

正答は5番です。

三角図は抽出においてよく使用されます。抽出対象の溶質を抽質、抽質を溶かしている溶媒を希釈剤と呼びます。希釈剤に溶かした抽質を、より抽質の溶解度が大きな抽剤で取り出します。今回ではAが抽質、Bが希釈剤、Cが抽剤です。

縦軸のメモリは成分Aの質量分率、横軸のメモリは成分Cの質量分率を表します。残りの成分Bについては、全体の質量分率1から各成分の値を引くことで得られます。

2番の点Fは成分Cの質量分率が0であることを表します。つまり成分AとBのみです。

3番および4番の点Fの状態は成分Cが無い状態です。そこから成分Cを加えていくため、成分Cの比率増加に伴って同じ比率で成分ABは減少していきます。成分Cを加えるだけですので成分ABの比率は変化しません。

5番のRが希釈剤側、Eが抽剤側です。それぞれの質量比E:Rは、てこの原理よりRM:MEで表せます。E:R=RM:ME=0.2:0.1=2:1となります。

2024年3月11日