電気絶縁性セラミックスの熱伝導に関する次のA~Eの記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
- 熱伝導はフォノン(原子振動)が支配的な因子となる。
- 高温では熱伝導率が上昇する。
- 多孔質セラミックスでは、緻密なセラミックスに比べて熱伝導率が高い。
- 不純物元素を含むセラミックスは、純粋なセラミックスに比べて熱伝導率が低い。
- ガラスは同じ組成の結晶質セラミックスに比べて熱伝導率が高い。
選択肢
- A、B
- A、D
- B、E
- C、D
- C、E
解答解説
正答は2番です。
A:セラミックスのような絶縁体では、熱伝導の主な担い手はフォノン(結晶格子の振動)です。金属のように自由電子が存在しないため、フォノンによる熱伝導が支配的となります。
B:一般的に、セラミックスの熱伝導率は、高温ではフォノンの散乱が増加するため低下する傾向があります。
C:多孔質セラミックスには空隙があり、フォノンの伝播を妨げるため、熱伝導率が低下します。
D:不純物は結晶格子の乱れを引き起こし、フォノンの散乱を増加させます。これにより、熱伝導率が低下します。
E:ガラスは非晶質構造を持つため、同じ組成の結晶質セラミックスよりも熱伝導率が低くなります。
参考資料
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電気絶縁性セラミックスの熱伝導
www.aist.go.jp