令和3年度 問17

2種類のビニルモノマー(M1とM2)のラジカル共重合における下記の生長反応(1)~(4)の生長反応速度定数をそれぞれk11、k12、k21、k22とする。重合初期に生成される共重合体組成(d[M1]/d[M2])は、仕込みモノマー組成([M1]/[M2])とモノマー反応性比(r1=k11 / k12、r2=k22 / k21)を用いて式(5)で表される。ただし、[M1]、[M2]はモノマー濃度である。 下図の共重合組成曲線とr1、r2との関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 曲線Aはr1=r2=1の場合であり、仕込みモノマー組成と同じ組成の共重合体が生成する。
  2. 曲線Bはr1=r2=0の場合であり、両モノマーは単独では重合せず交互共重合体が得られる。
  3. 曲線Cはr1=0、r2<1の場合であり、少なくとも一方のモノマーは連続して共重合体にに入らない。
  4. 曲線Dはr1<1、r2<1の場合であり、仕込みモノマー組成と生成する共重合体の組成は必ずしも一致しない。
  5. 曲線Eはr1<1、r2>1の場合であり、交互共重合性に乏しく組成の偏った共重合体が生成する。

解答解説

正答は5番です。

曲線Eにおいて、常に仕込み中のM1モル分率の方が共重合体中のM1モル分率よりも大きな値です。モル分率で表されていることから、M2では逆の結果となります。仕込み中のM2モル分率の方が共重合体中のM2モル分率よりも小さな値です。

上記結果より、M1の方がM2よりも重合速度が速いことを意味します。よってk11>k12、k22<k21となることからr1>1、r2<1です。

2024年3月11日 広告

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