令和2年度 問32

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下図に段型連続蒸留塔内部の気液流れ等を示す。F:原料、D:留出液、W:缶出液、V:濃縮部蒸気流量、L:濃縮部蒸気流量、L’:回収部液流量、V’:回収部蒸気流量で、これら流量は[mol・s-1]単位である。q[-]は供給原料の液割合である。Q[W]はリボイラの加熱量であり、回収部蒸気流量V'はQに比例する。F=1mol・s-1、q=0.5、D=0.3mol・s-1の条件で操作するとき、還流比R=2から還流比R=6に変えるために、Qは何倍にするべきか、次のうち最も適切なものはどれか。

蒸留塔内部の流れ
  1. 2倍
  2. 2.5倍
  3. 3倍
  4. 4倍
  5. 5倍



解答解説

正答は4番です。

還流量をLとすると、還流比R=L/DであることからL=RDです。

蒸留塔全体の物質収支を求めると、F=D+Wとなります。

またリボイラ部分の物質収支を求めると、V’+W=RD+qFとなります。

「回収部蒸気流量V’はQに比例する」と問題に記載されていることから、2つの物質収支式を使用してV’およびRの式を立てます。
V'=RD+qF-(F-D)

F=1mol・s-1、q=0.5、D=0.3mol・s-1の条件で操作すると問題に記載されていることから、V'=0.3R+0.5×1-(1-0.3)=0.3R-0.2となります。

還流比R=2および還流比R=6でそれぞれ計算します。
R=2:V'2=0.3×2-0.2=0.4
R=6:V'6=0.3×6-0.2=1.6

よって、V'つまりQは1.6/0.4=4倍にするべきとなります。

2024年3月11日