下図に段型連続蒸留塔内部の気液流れ等を示す。F:原料、D:留出液、W:缶出液、V:濃縮部蒸気流量、L:濃縮部蒸気流量、L’:回収部液流量、V’:回収部蒸気流量で、これら流量は[mol・s-1]単位である。q[-]は供給原料の液割合である。Q[W]はリボイラの加熱量であり、回収部蒸気流量V'はQに比例する。F=1mol・s-1、q=0.5、D=0.3mol・s-1の条件で操作するとき、還流比R=2から還流比R=6に変えるために、Qは何倍にするべきか、次のうち最も適切なものはどれか。
- 2倍
- 2.5倍
- 3倍
- 4倍
- 5倍
解答解説
正答は4番です。
還流量をLとすると、還流比R=L/DであることからL=RDです。
蒸留塔全体の物質収支を求めると、F=D+Wとなります。
またリボイラ部分の物質収支を求めると、V’+W=RD+qFとなります。
「回収部蒸気流量V’はQに比例する」と問題に記載されていることから、2つの物質収支式を使用してV’およびRの式を立てます。
V'=RD+qF-(F-D)
F=1mol・s-1、q=0.5、D=0.3mol・s-1の条件で操作すると問題に記載されていることから、V'=0.3R+0.5×1-(1-0.3)=0.3R-0.2となります。
還流比R=2および還流比R=6でそれぞれ計算します。
R=2:V'2=0.3×2-0.2=0.4
R=6:V'6=0.3×6-0.2=1.6
よって、V'つまりQは1.6/0.4=4倍にするべきとなります。