令和元年度(再試験) 問25

端成分がA及びBからなる2成分系状態図に関する次のa~eの記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。

  1. 領域Ⅲの構成相はA2Bと液相である。
  2. 組成Mの液相を温度Tnまで冷却したときの固相と液相の量比は\( \overline{AM}\):\(\overline{MN} \)である。ここで、\( \overline{XY}\)は組成XとYを結ぶ線分の長さを示す。
  3. q点は共晶点。Tqは共晶温度と呼ばれる。
  4. A2B化合物は加熱すると、固相のまま成分AとQに分解する。
  5. P組成の融液を温度Tpよりわずかに低温で保持し、種子結晶を浸すことで、A2B単結晶が育成できる。

選択肢

  1. A、B
  2. A、C
  3. B、D
  4. B、E
  5. D、E

解答解説

正答は3番です。

この図は、AとBからなる2成分系の状態図です。それぞれの領域は異なる相の状態を示しています。

L点は均一な液相です。そこから温度を下げて、各境界を下回ることで結晶が現れ始めます。

領域ⅠはAの固相とLの液相が共存する状態です。領域ⅡになるとA成分の純固相のみが存在する領域で液相は存在しません。領域Ⅲでは液相とともにA2Bが存在します。

領域ⅣはBの固相とLの液相が共存する状態です。領域ⅤになるとB成分の純固相のみが存在する領域で液相は存在しません。

選択肢Bの固相と液相の量比は\(\overline{MN} \):\( \overline{AM}\)となるため逆です。

選択肢DにおけるA2B化合物の加熱は、成分Aと液相Lに分解します。

参考資料

金属材料と溶接性
金属材料と溶接性

www-it.jwes.or.jp

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/26431/ferrum8_10_674.pdf
2成分系平衡状態図の基礎

ir.library.osaka-u.ac.jp

2024年3月10日 広告

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