端成分がA及びBからなる2成分系状態図に関する次のa~eの記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。

- 領域Ⅲの構成相はA2Bと液相である。
- 組成Mの液相を温度Tnまで冷却したときの固相と液相の量比は \overline{AM}:\overline{MN} である。ここで、 \overline{XY}は組成XとYを結ぶ線分の長さを示す。
- q点は共晶点。Tqは共晶温度と呼ばれる。
- A2B化合物は加熱すると、固相のまま成分AとQに分解する。
- P組成の融液を温度Tpよりわずかに低温で保持し、種子結晶を浸すことで、A2B単結晶が育成できる。
選択肢
- A、B
- A、C
- B、D
- B、E
- D、E
解答解説
正答は3番です。
この図は、AとBからなる2成分系の状態図です。それぞれの領域は異なる相の状態を示しています。
L点は均一な液相です。そこから温度を下げて、各境界を下回ることで結晶が現れ始めます。
領域ⅠはAの固相とLの液相が共存する状態です。領域ⅡになるとA成分の純固相のみが存在する領域で液相は存在しません。領域Ⅲでは液相とともにA2Bが存在します。
領域ⅣはBの固相とLの液相が共存する状態です。領域ⅤになるとB成分の純固相のみが存在する領域で液相は存在しません。
選択肢Bの固相と液相の量比は\overline{MN} : \overline{AM}となるため逆です。
選択肢DにおけるA2B化合物の加熱は、成分Aと液相Lに分解します。
参考資料
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金属材料と溶接性
www-it.jwes.or.jp
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2成分系平衡状態図の基礎
ir.library.osaka-u.ac.jp