温度が一定に保たれた回分反応装置でA→Bの反応を行った。反応速度はA成分濃度の2乗に比例する。反応を開始してから1時間後に反応率が50%になった。反応率が75%となるのは、反応を開始してから何時間後か最も近いものはどれか。
- 1.5時間
- 2時間
- 3時間
- 4時間
- 5時間
解答解説
正答は3番です。
「反応速度はA成分濃度の2乗に比例する」とあるため、反応速度式dC/dt=-kC2(k:反応速度定数、t:時間)という微分方程式が立てられます。分離変数法で分解します。
まず変数Cとtで分けるためdC/C2=-kdtの形に変形します。
Cの関数として左辺を、tの関数として右辺をそれぞれ積分します。
∫(1/C2)dC=∫−kdt
-1/C=-kt+定数
初期条件、t=0の時の濃度を C0とすると、-1/C0=-k × 0 + 定数となり、-1/C0=定数が成り立ちます。この式を元の積分後の式に代入します。
-1/C=-kt+(-1/C0)
1/C=kt+1/C0
Cは反応後の原料濃度ですので、50%反応した時はC=C0/2とみなせます。1時間後に反応率が50%になっていることから反応速度定数を求めます。
1/C=kt+1/C0
1/(C0/2)=k × 1+1/C0
2/C0=k+1/C0
k=1/C0
反応定数kが求まりましたので、75%反応した時の反応時間を考えます。C=C0/4です。
1/C=kt+1/C0
1/(C0/4)=(1/C0)t+1/C0
4/C0=t/C0 +1/C0
4=t+1
t= 3 時間
よって反応率が75%となるのは、反応を開始してから3時間後です。