平成29年度 問21

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ガラスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 鉛ガラスは主成分の1つにPbOを含み、放射線遮蔽ガラスや、美術工芸品用ガラスや装飾品用ガラスに使用される。
  2. 板ガラスを軟化点近くまで熱し、冷気を吹きつけて一様に急冷すると、表面に均一な圧縮応力が生じ、強度が向上する。これが強化ガラスで、ショーウインドウ等のガラスに用いられる。
  3. 石英ガラスは単一のSiO2組成であり、化学的耐久性は高いが熱膨張率も高く急熱急冷には弱い。
  4. 結晶化ガラスは、強度が高く他のガラスに比べて線膨張率が低いので、耐熱ガラスや食器に用いられる。
  5. 光ファイバー用石英ガラス製法として、SiCl4を原料とした化学気相析出(CVD)法がある。



解答解説

正答は3番です。

ホウケイ酸塩ガラスは熱膨張係数が小さいため熱衝撃(急激な温度変化)に強く、耐薬性にも優れることから、化学実験用のビーカーや耐熱食器などに用いられます。ホウケイ酸ガラスよりもさらに熱膨張係数が小さく化学的に安定なのが石英ガラスです。

一般のガラスに酸化鉛を加えたガラスは屈折率が高くクリスタルガラスと呼ばれます。透明度と屈折率が高いのでクリスタル(水晶)のように輝いて見えることから食器やインテリアに用いられます。クリスタルガラスよりもさらに酸化鉛の含有量が増えると放射線遮蔽用鉛ガラスとして使用されます。

参考資料

ガラスの種類|中島硝子工業株式会社
ガラスの種類

www.ngci.co.jp

2024年3月10日