平成29年度 問16

環状モノマーの開環重合に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。

  1. ε-カプロラクタムを開環重合するとポリエステルが得られる。
  2. ε-カプロラクトンを開環重合するとナイロンが得られる。
  3. エピクロロヒドリンを開環重合するとポリエーテルが得られる。
  4. ラクチドを開環重合するとポリ乳酸が得られる。
  5. トリオキサンを開環重合するとポリオキシメチレンが得られる。

選択肢

  1. A、B
  2. A、C
  3. B、C
  4. B、E
  5. C、D

解答解説

正答は1番です。

ラクトンは環状エステル、ラクタムは環状アミドです。ε-カプロラクタムを開環重合するとナイロン6が得られます

ε-カプロラクタムの構造

またε-カプロラクトンを開環重合するとポリカプロラクトン(PCL)というポリエステルが得られます

ε-カプロラクトン

3番のエピクロロヒドリンはエポキシ基を持つ化合物です。ポリマーは-[CH2CH2O]n-が生成します。

エピクロロヒドリンの構造

4番のラクチドは2分子以上の乳酸(2-ヒドロキシプロピオン酸)が多重エステル化して形成される環状化合物です。ポリマーは-[OCH(CH3)CO]n-が生成します。ポリ乳酸は生分解性プラスチックとして有名です。

ラクチドの構造
乳酸(L-乳酸)の構造

5番のトリオキサンは炭素原子3つと酸素原子2つからなる環状化合物です。ポリマーは-[CH2OCH2OCH2O]n-が生成します。

トリオキサンの構造

参考資料

縮合重合・開環重合(ポリエステル・ポリアミド・ナイロンなど) | 化学のグルメ
縮合重合・開環重合(ポリエステル・ポリアミド・ナイロンなど)

kimika.net

ポリカプロラクトンポリオール(PCL) | ウレタン総合サイト|PU Portal
ポリカプロラクトンポリオール(PCL)

division.nagase.co.jp

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